中村太王座が夕食休憩の50分をすべて考慮に投入し、42分を計上してこの玉引きを含む手順を選びました。着手が盤面モニターに映し出されると、控室の棋士たちから意外そうな声が。残り時間はともに1時間を切り、ほぼ並んでいます。
「後手の攻めを先手が受け止められるかどうか、という局面です。ここは代えて▲7七玉(玉を8八から移動していた)を予想していました。その場合は▲7六玉で桂を取りきって、▲6五歩で△6四桂の筋を消しつつ▲6四桂の攻めを作って先手ペースとの見解です。ただ中村王座はだいぶ時間を使ってこの変化を選ばれましたので、▲7九玉で問題ないと見ているのでしょう」(北浜八段)
(虹)