11時20分、中村六段が長考に沈んでいる。羽生王座が△3一玉(図)と引いて5筋が薄くなったため、▲4五桂と跳ねる筋が有力な攻めになるようだ。たとえば、▲3五歩△同歩▲4五桂△2二銀▲7一角△7二飛▲5三角成△同金▲同桂成△5五銀▲8三金(参考図)まで進めば先手よし。
見ての通り飛車が詰んでいるので、後手はどこかで変化する必要がある。後手に変化されても仕掛けが成立しているかどうか、中村六段は時間を使って検討しているのかもしれない。
控室には加藤桃子女流王座が訪れ、検討に加わっている。継ぎ盤の横には島九段が用意したおやつが並んでいる。
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