感想戦(1)
【本局のポイント】
感想戦で渡辺新王座が悔やんだのが図の▲5六歩。
「▲5六歩では先に▲3六歩から打つべきでした。△3五桂がきつかったです。この辺りからおかしくしてしまいました」(渡辺)※棋譜コメントより抜粋
▲3六歩に△5九飛成は▲同角△同竜▲8一飛でこれは先手の攻めが早そう。従って▲3六歩には△1九竜や△8九竜が予想されますが、そこで▲5六歩と受けておけば△3五桂がないぶん本譜より優ったようです。
羽生前王座が悔やんだのが図の局面。
「(図の△3四飛に)▲5六角を打たれて、ちょっとそこでどうやるかわからなくなってしまいました。あの局面が勝負所だった気がします」(終局後のインタビューより抜粋)
感想戦では、本譜に代わる手がはっきりとは示されなかったようですが、図の△3四飛に代えて控室で検討されていた△2四飛も考えられたのかもしれません。あるいは▲5六角と打たれたあとに変化するチャンスがあったのでしょうか。
終盤のポイントは図の局面。本譜の△4九竜に代えて、控室で検討されていた△3九飛成が有力だったようです。
※以下棋譜コメントより抜粋
△3九飛成▲同角△同竜▲6二と△同金▲8一飛で「ここで何かないかと思ったのですが……」と羽生。以下△5九角▲7九玉△3一金▲3四桂△1五角成▲2六金(参考図)で「こうやるしかなかったですか」と羽生。「飛車(8一)がきついのでいいかなと思っていましたが△3一金は考えてなかったです。この辺りは首を差し出している手順です」(渡辺)。
参考図で後手よし、というニュアンスではなかったようですが、難解な勝負が続いたようです。
(八雲)