報道陣が退出してから羽生王座は△7三桂と着手しました。以下▲8一歩成△8八角成▲同銀△8七歩と進行しています。
以下棋譜コメントより抜粋。
「早いな。おかしいな。何かで指していたのかな。△8七歩は△4四角と打つ手を有効にしている手です。仮に▲8七同銀なら△8八歩▲同金△4四角に▲7七角△3七飛成▲同金△2六角▲同金△2八飛まで進めば後手が優勢になります。△4四角が先手になる工夫ですね。△4四角~△3七飛成を強烈にするのです」と木村八段。
(八雲)
羽生王座が18分使って12時となり昼食休憩となりました。昼食休憩までの消費時間は▲渡辺1時間2分、△羽生1時間36分。対局再開は13時より。昼食の注文は羽生王座が天ざるそば・渡辺竜王がカツ丼。
【Twitter解説】
宮田敦史>▲8二歩以下△7三桂▲8一歩成△8八角成▲同銀に△8七歩か△4四角でしょうか。△4一玉型で後手が勝った実戦例があった気がしますが、△5二玉型がどう影響するかが注目です。
(八雲)
11時10分頃の局面。控室では△8八飛成の激しい手が予想されていましたが、羽生王座は△8五飛と飛車を一つ引きました。
「これは全然違うことに……いや、▲3六飛と寄らせてそこで△8八飛成と切るのかな。以下▲同銀△5五角打▲8三飛△1九角成▲8一飛成のときに△2九馬(参考図)と桂をダイレクトに取れるのが▲3六飛と寄らせた効果です」(木村八段)
「これは厳しいですね。次に△4四桂があって」(阿部健四段)
「ここまで進むとまずいですから、先手はどこで変化するか。渡辺竜王もここは時間を使うでしょう」(木村八段)
11時19分頃、34手目の図から渡辺竜王は▲3七銀としました。
「うん、やはり▲3六飛は先ほどの順で危険とみたのでしょうね」(木村八段)
(八雲)
10時30分過ぎ、この局面で羽生王座が時間を使っています。
ここまでの消費時間は▲渡辺35分、△羽生19分。
「ここで△8六歩▲同歩△同飛▲3五歩△8八飛成▲同銀に△5五角打(参考図)から考えますね」(木村八段)。
※棋譜コメントより抜粋
参考図は1九の香取りと△8八角成▲同金△同角成の二枚替えの両狙い。後手駒得が確実ながら、飛車を渡したことでのちに▲8三飛などの反撃も厳しくバランスが取れています。
(八雲)