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2010年9月

2010年9月29日 (水)

終局近し、か

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(21時15分頃の控え室の様子。終局が近い雰囲気を察してか、立ってモニタを見る関係者が増えている)

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先人の戦い

大山康晴名人-丸田祐三八段(肩書き・段位は当時)の王座戦。対局の様子が写真になって残っている。館内を探すと、色あせた色紙も見つけることができる。

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羽生王座、淡々と寄せていく

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図は20時50分頃の局面。藤井九段が△5一歩と「金底の歩」で踏ん張ったところ。しかし後手の陣形は崩壊寸前。先手の攻めは確実に迫ってきており、とても振りほどけそうにない。そして羽生王座の玉は隙のない形。形勢は先手優勢ではっきりしているようだ。あとは羽生王座が間違えずに決めきることができるか。いっぽうの藤井九段は、相手に楽をさせず制約を与え続けて、なんとか逆転の希望を見出したい。

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(大盤解説会場は青野九段が助っ人に登場)

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(安食女流初段(左)と青野九段(右)。スクリーンに映し出される盤面を確認)

(文)

20時30分ごろの大盤解説会@東京

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(73手目▲4五桂に△4四角の変化を検討)
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(笑いの絶えない解説会となっている)

(銀杏)

藤井九段、依然苦しく

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図は20時20分頃の局面。羽生王座が両取りに▲4五桂と跳ねたところだ。この手を着手するとき、羽生王座が駒をぐりぐりっと押さえつける様子がモニタから見てとれた。この「駒ぐりぐり」は、羽生王座が勝ちを意識したときに出る仕草として有名だ。
控え室では、この手に代えて▲3一飛や▲5一飛を本線で検討していた。勝又六段は「みんな予想が外れたよ」と駒をバタバタと戻す。次に▲5一飛と打つ手が厳しい。△4四角は▲5一飛~▲5三飛成がある。したがって▲4三金左や▲5二金と逃げる手が検討されているが、「これは元気出ないですね」と田村六段。勝又六段は、「しかし藤井さんも疲れるねえ。▲3一飛とか▲5一飛とか読んでたところにこれだもんなあ」とつぶやく。

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羽生王座持ちの声高く

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図は19時55分頃の局面。羽生王座は▲5三香成と捨てて藤井九段の陣形を乱す。4二飛と5二金の連係を断つ効果がある。以下△5三同金▲4二竜△同歩▲6二金△7一銀▲同金△同玉▲3一飛△6一金▲6二歩が予想される手順で、先手の羽生王座持ちの声が高い。二つに分かれている検討陣は双方とも同じ局面を検討している。いっとき▲5九香に面食らった検討陣だが、「どう決めるかという問題。▲5九香は棋風でしょう」と、伊藤四段は語っている。

▲5三香成の時点で、藤井九段の残り時間は28分。

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(文)

東京の大盤解説会の様子

こんばんは。第2局の棋譜・コメント入力を担当した銀杏です。
東京で行われている大盤解説会のレポートをします。

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(本局の大盤解説会は行方尚史八段と熊倉紫野女流初段が担当している。夕食休憩時までの指し手が解説され、56手目△5七との局面が「次の一手」として出題された)
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(解説を務める行方尚史八段)
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(聞き手は熊倉紫野女流初段)

(銀杏)

大盤解説会、再開

大盤解説会は160名の来場者でごった返している。夕食休憩後の一手が「次の一手」として出題されていたが、羽生王座の選択は▲5九香!という意表の一手。正解者はわずか2名だったそうだ。

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(解説の森内九段(右)、聞き手の安食女流初段(左))

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(会場のモニタに映る両対局者)

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(外は夜の闇。各所がライトアップされ幻想的な雰囲気に)

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対局再開。驚愕の香打ち

定刻の19時になったが、羽生王座はなかなか指す様子を見せない。「すぐ指しそうな顔をしてるんですけどねえ」と、大盤解説の森内九段。
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そして再開後の一手は▲5九香!▲3三角成が本命だっただけに、関係者の誰もが驚きを隠せない。以下△5六と▲同香△6五銀▲3三角成と進んだ。
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羽生王座は「銀を取らせた不利より、と金を消した利が大きい」と踏み、この順を選んだようだ。

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対局室 明治天皇上壇の間

今回対局に使われている「松風(まつかぜ)」は、明治天皇のために黒田藩主が建てたもの。

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(この階段を登った先に、松風の間がある)

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(対局室入り口)

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(対局室へと伸びる廊下。外はすっかり暗くなった)

(文)

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