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2009年9月25日 (金)

中座七段の8五飛講座(2)

27ouza20090925
27手目▲3七桂の局面が新山崎流の基本形です。それまで多く指されて来たのは、この局面から(▲5八玉▲3八金)と2手進んだ形でした。この2手を省いたのが、山崎七段の斬新で素晴らしい発想です。
この指し方により、後手は右桂を使う大事な2手「△7四歩~△7三桂」を指す事ができなくなりました。

図では△7四歩が一番多く指されていますが、後手にとっては、その瞬間が非常に怖い局面となります。以下▲3三角成△同桂▲3五歩と桂の頭を攻められた時に△同飛と取る事ができません。△7四歩と歩を突いているために、▲4六角の飛車香取りが生じてしまうのです。△7三桂まで進んでいれば、この進展はありません。
図の局面での後手の対抗策がなく、一時期△8五飛戦法は下火になりました

新山崎流基本図(27手目)からの、△7四歩は紆余曲折を経て、現在は力戦調の将棋になる事が多くなりました。後手がはっきり悪くなる訳ではないので、△8五飛戦法は以前よりも指されるようになり、また昔の変化も掘り起こされるようになりました。

本譜の△8六歩の筋は以前からありましたが、本譜のような進展で後手がダメだと思われていました。△3三銀と上がる筋も一応ありましたが、あまり注目はされていませんでした。羽生王座は、どこかでこの手の可能性に気付き、光明を見出していたのではないかと思います。
もしこの手が成立すれば、新山崎流に対する大きな対抗策になります。(中座七段)

(烏)

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