前夜祭(5)
両対局者の退室後、立会人の中村修九段と副立会人の戸辺七段が明日からの見どころと展望を語りました。
「振り飛車の弱点、いっちゃっていい? 持将棋しにくい」と不思議流のジョークが飛び出した。2月4日に行われた第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局▲藤井聡太棋王-△伊藤匠七段戦で、角換わりの最新形から後手の狙い通り持将棋になったことを踏まえている。戦型は『角道を開けたままの四間飛車』を予想した。
「1日目のポイントは、まず菅井さんが飛車をどこに振るか。第2局の後手番は三間飛車に振って、藤井さんはガチガチの居飛車穴熊でした。序盤で驚いたのが▲6六銀です。かなりマニアックですけど。明日、菅井さんが三間飛車にしたら▲6六銀が出るか、それとも藤井さんがいままで多く指してきた▲6六歩が出るかに注目しています」
書き起こし=紋蛇、撮影=玉響
前夜祭(4)
「皆さんこんばんは。(客席を見ながら) いや、もうびっくりしましたね、この迫力に。なんか将棋とは思えないような(笑)。でも、本当に皆さんも将棋好きなんだなっていうのがすごく感じました。明日から本当にすばらしい対局場で将棋ができるということで、本当に感謝しています。成績はちょっといま振るわないんですけど。将棋の内容もあまりよくありませんけど。本当、今はすごくいい状態なので、明日からの対局に集中したいと思います。 皆さんも2日間、応援と将棋の素晴らしさを感じてください。頑張ります」
「本日は第73期ALSOK杯王将戦第4局の前夜祭に、お足元の悪いなか本当に多くの方にお集まりをいただきまして、ありがとうございます。また、この王将戦を主催していただいております毎日新聞社さま、スポーツニッポン新聞社さま、特別協賛のアルソックさま、協賛の各社さまをはじめ、関係各位の皆様に厚くお礼申し上げます。
今年で4回目を迎える立川対局は、立飛ホールディングスさま、立川市さまをはじめ、本当に多くの方々に支えられています。今年も開催を迎えられることを、本当にありがたく思っています。今年は昨年に開業した「オーベルジュ ときと」さまで対局を開催していただく運びになりました。先ほど検分にも伺ったんですけれども、本当にその洗練された素晴らしい雰囲気のなかでタイトル戦ができるということで、非常に楽しみしています。明日、明後日の対局となりますが、2日間にわたる対局なので、一手一手しっかり読みを入れて作り上げていくような将棋にできればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」
書き起こし=紋蛇、撮影=玉響
前夜祭(3)
前夜祭(2)
前夜祭(1)
18時から開催された前夜祭の模様をお送りいたします。
「先週2月1日に、 我々は創刊75年を迎えることができました。王将戦は73期ありますが、スポニチが王将戦の主催になったのは1978年、第27期からです。当時、脂の乗り切った王将・名人の中原誠さんに 、関西の雄で『火の玉流』と呼ばれた有吉道夫八段が挑戦したシリーズでした。スポーツ新聞らしく、棋士の人柄や食事、対局の勝者写真を記事にし、将棋に詳しくない方でも楽しめるように工夫してきました」
「(会場の熱気に)本当にすごい人気で、驚いている次第です。藤井さんがタイトル戦に出るようになってから、私は初めてこういった場で挨拶をさせていただきますが、改めてすごく将棋界を取り巻く環境が変わったんだなということをひしひしと感じています。将棋というものが、将棋ファンの関心事であることはもちろん、同時に国民の関心事になったんだなというところを感じています」
書き起こし=紋蛇、撮影=玉響