第72期王将戦七番勝負第4局 Feed

2023年2月 8日 (水)

20時頃からは第4局の立会人を務める森内俊之九段と、副立会人の佐々木大地七段によるトークショーが行われ、明日の展望を語りました。

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A7309842(副立会人を務める佐々木大七段)

「明日は矢倉を目指すのではないかなと。角換わりは藤井王将の土俵で、後手番でも研究が行き届いていると思うので。矢倉でじっくり戦うのではないかなと思っています。藤井王将は昨年の立川対局でも後手番で6三銀型の矢倉を指していました」

A7309838(立会人を務める森内九段)

「私は矢倉はあまり考えていなくて、角換わりかなと予想しています。いま、いちばんホットな戦型でして、藤井さんも得意としているんですけど、羽生さんが避け続けて藤井さんから4勝できるかというと難しいと思うんです」

A7309844(佐々木大七段がジョークを飛ばし、森内九段から思わず笑みがこぼれる一幕もあった)


(書き起こし=生姜)

明日の対局に向けて、両対局者は抱負を述べました。

A7309811■藤井聡太王将

「本日は前夜祭に多くの方にお越しいただきましてありがとうございます。また、この立川対局の開催に向けてご尽力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。前期にこの立川対局で王将を獲得することができて、また今期この場所に戻ってこれたことを大変嬉しく思っています。また、今年はこのように盛大な前夜祭を開催していただいたことにも感謝申し上げます。明日から第4局となりますけれども、ここまでの3局は持ち時間8時間ということもあって一手一手非常に難しかったんですけども、その分、充実感もあったと思っています。また、これまでの対局を踏まえて、よりよい内容の将棋を指すことに全力を尽くしたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」

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■羽生善治九段

「前夜祭をこのように盛大に開催していただき誠にありがとうございます。王将戦は年が明けると開幕するのですが、掛川市、高槻市、金沢市を対局したあと、立川に来ることになりました。先ほど対局場を検分させていただきまして、非常に眺望の素晴らしいところで、対局に集中できる環境だなと思いました。立川と聞くとですね、私は実家が八王子市ということもありまして、すぐに昭和記念公園が浮かびます。久しぶりにこちらのほうに来たのですが、だいぶまた雰囲気も変わりまして、こういうところで対局ができるのは棋士にとっても大変光栄なことだと思っています。この王将戦というのは一局を2日間、持ち時間8時間で対局しているわけですが、何事もスピードの時代のなかで一つの勝負に2日間かけて行うというのはかなり珍しいことなのではないかなと思っていますし、同時に将棋というのはそれだけ長い時間費やしてもなかなか分かることができない奥深いものなのだなと思っています。明日からの対局にいま持っている力を出しきって、皆様に楽しんでいただけるような将棋を指せるように頑張っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」

A7309818(決意表明後、両者は明日の対局に備えて退場。多くのファンに見守られながら会場をあとにした)

(書き起こし=生姜)

18時30分から「パレスホテル立川」で前夜祭が行われました。

A7309715 ■主催者挨拶 小菅洋人・スポーツニッポン新聞社代表取締役社長

「ここ2年間はコロナ禍の影響もありまして関係者のみの前夜祭となりましたが、今年は一般のファンの皆様にもお越しいただいて、このように盛大に執り行うことができました。主催者として本当に嬉しく思います。我々としましても新聞紙上、ネット等でこの対局を詳しく報道していきたいと思います」

A7309731 ■主催者挨拶 佐藤康光・日本将棋連盟会長

「世紀の対決は一進一退の中、中盤戦ということでこの第4局を迎えました。お互いに十二分に力を出しきっている印象があります。明日もいい将棋が見られるのかなと期待しております」

A7309735 ■特別協賛社挨拶 栢木伊久二・ALSOK代表取締役社長

「藤井王将の初防衛か、羽生九段の通算タイトル100期獲得か。この注目の一戦にALSOKが特別協賛として携われたことを本当に嬉しく思います。今、何事も急ぎで答えを出さないといけないご時世で、おふたりが一手一手熟考しながら魂を込めて駒を進める姿を見ますと、将棋ファンならず本当に感動を与えていただいていると思います」

A7309741 ■開催地挨拶 清水庄平・立川市長

「藤井王将、羽生九段、ようこそ立川にお越しいただきました。第4局がここ立川で行われることは地元市長として大変光栄であり心より歓迎するところであります。対局場となる「SORANO HOTEL」で、立川産の食材を使ったお食事で英気を養っていただき、全力を尽くされての熱戦を期待します」


(書き起こし=生姜)

16時、対局室の検分が行われました。検分では、使用する盤駒、照明や日差しの入り具合、室温や騒音などが対局を行うに当たって問題ないかを確認します。

午後は西日が差し込む関係で、必要に応じてブラインドを閉めることになりました。藤井王将は室温が少し高めに感じると話し、羽生九段も同調。空調の設定温度で調節することになりました。

A7309531(藤井聡太王将)

A7309508(挑戦者・羽生善治九段)

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A7309548(写真中央は立会人の森内俊之九段、右は副立会人の佐々木大地七段)

A7309558(検分は滞りなく進み、5分ほどで終了した)

このあと両対局者は揮毫と主催紙のインタビューに臨みます。

藤井聡太王将(五冠)に羽生善治九段が挑戦する第72期ALSOK杯王将戦七番勝負は、藤井王将2勝、羽生九段1勝で第4局を迎えます。
対局は2月9日(木)、10日(金)の2日間にかけて、東京都立川市「SORANO HOTEL」で行われます。
持ち時間は各8時間。両日とも9時対局開始で、12時30分から13時30分までは昼食休憩。1日目の18時を回ると手番の対局者が次の一手を封じ、翌日9時から指し継ぎます。第4局の先手番は羽生九段です。

立会人は森内俊之九段、副立会人は佐々木大地七段、記録係は齋藤光寿三段(門倉啓太五段門下)が務めます。対局2日目に行われる現地大盤解説は、谷川浩司十七世名人と貞升南女流二段が担当します。スポーツニッポン新聞の観戦記担当は関口武史指導棋士五段です。
本局の中継は、棋譜コメントを生姜、本ブログを玉響が担当します。よろしくお願いいたします。


【棋譜再生ページ(毎日新聞ニュースサイト)】
https://mainichi.jp/oshosen2023/230209.html
※王将戦七番勝負の棋譜中継は公開から30日間無料です。対局日から30日経過後に閲覧するには「毎日ID」によるログインが必要となります。


◆主催
【毎日新聞】
https://mainichi.jp/oshosen2023
【スポーツニッポン】
https://www.sponichi.co.jp/society/tokusyu/osho2018/


◆特別協賛
【ALSOK】
https://www.alsok.co.jp/info/alsokhai-oushousen/


◆協賛
【囲碁将棋チャンネル】https://www.igoshogi.net/shogi/oushou/72th/72oushou_seven_battle.html
【立飛ホールディングス】
https://www.tachihi.co.jp/social/art-culture/
【inゼリー】
https://www.morinaga.co.jp/in/jelly/


◆対局場
【SORANO HOTEL】
https://soranohotel.com/