両者、引かない 控室ではここで(1)△2五香から後手玉の上部開拓をする変化が調べられていましたが、実戦は(2)△7六歩と攻め合いました。継ぎ盤周りからは着手と同時に「堂々と!」の声が上がっています。このあとすぐに両者の持ち時間は1時間を切りました。
姉妹と甘味 (里見姉妹)KKRホテル大阪の差し入れで、控室に大量のスイーツが運ばれました。熱の入った検討にひと時の休息の時間が流れます。里見香女流四冠は「抹茶ムース」、里見咲女流初段は「オレンジゼリー」をそれぞれ選択。「先に選んでいいよ」といった姉妹らしいやりとりが見られました。 (ほかにも「チョコレートムース」や「わらびもち」に各棋士、関係者が手を伸ばした)
ここまでの振り返り 局面は終盤戦に入りつつあります。ここで副立会の大石七段に、本局の進行について振り返っていただきました。 「途中までは後手ペースだと思っていましたが、70手目△7三銀のところで△5三銀と引きにくかったということで、また79手目▲4六桂などの追撃もあり、少しずつ先手が盛り返していったという印象です。現局面で後手がどう指すのかが難しく、私は少し先手持ちですね。ただ形勢自体はまだまだ難しいと思います」(大石七段) (検討風景。ひとつの継ぎ盤を全員で囲み、思い思いに意見を出し合っている)
午後のおやつ 15時、両対局者におやつが運ばれました。注文は、渡辺明王将が「チョコレートケーキ」と「ホットコーヒー」、広瀬八段が「フルーツの盛り合わせ」と「ホットレモンティー」です。 (LE PINEAUのチョコレートケーキ) (渡辺明王将の注文) (フルーツの盛り合わせ) (広瀬八段の注文)
攻め合いに発展か △7五歩は攻めながら飛車の逃げ場所も増やせるということで、感触がよい手だと控室ではいわれていました。形勢は難解ということですが、「渡辺明王将に流れがきている気がする」との声も。また元々は先手の攻め、後手の受けという構図でしたが、△7五歩と突いたことで攻め合いになりやすいようです。 実際に渡辺明王将は踏み込む変化を選んでいます。 (果たしてどちらの攻めが刺さるのか)
脇システムの生みの親 (日本将棋連盟専務理事の脇謙二八段)14時頃、控室に脇謙二八段が来訪しました。本局でも採用されている脇システムは、脇八段が開発した戦法です。 (続いて、里見香奈女流四冠と里見咲紀女流初段の姉妹が姿を見せた) (すぐに継ぎ盤検討に参加。だいぶにぎやかになってきた)
対局再開 (東八段がいの一番に入室していた) (再開3分前に渡辺明王将が戻ってきた。記録机にあるタブレットをのぞき込む) (ほどなくして広瀬八段も入室) (定刻になったが、広瀬八段はすぐには指さない) (渡辺明王将は盤面を凝視したまま次の一手を待つ)
休憩が明ける前に (村山七段が継ぎ盤でしばし検討すると、食事から戻ってきた大石七段が向かいに座った) (継ぎ盤で調べられていた変化のひとつ。3筋で歩のたたきが入っており、これは有力そうだといわれている)またほかの変化が調べられていた中で「点数勝負」という単語も聞こえました。後手玉が上部開拓していけば、確かに入玉形になりやすくはあります。
昼食メニュー (広瀬八段が注文した「ブラックカレー」は、KKRホテルの名物)KKRホテル東京の料理長が考案し、およそ12万食が出ています。フルーツの甘みが先に感じられ、それから辛さがくるタイプだといいます。 (渡辺明王将が注文した「きつねうどん」)