第68期王将戦七番勝負第2局 Feed

2019年1月25日 (金)

Zenya13(関係棋士登壇。左から副立会人の浦野八段、久保王将、立会人の桐山九段、渡辺棋王、記録係の古森四段)
Zenya15 (たかつき観光大使から花束贈呈。右が粟津咲さん、左が下道未羽さん)Zenya16 (華に囲まれての記念撮影)Zenya17 (高槻市富田の清鶴酒造、寿酒造の清酒も記念品として贈られた)

Zenya18 (久保王将挨拶)
「王将戦第2局の前夜祭に大勢の皆様にお集まりいただきましてありがとうございます。高槻市長様には去年、あるイベントの際にお話をさせていただきまして、そのときに将棋の話がすごく出たんですね。将棋界のことを話すことはたまにあるのですが、市長は『角道を止めて振り飛車をやると、角を狙われて困る』と、すごく具体的な話をされまして、こんなに将棋が好きな方が市長でいらっしゃるのは本当にありがたいことで、長きにわたって市長を続けていただいて将棋界を応援していただければと思う次第であります。
高槻はこのところ3年ほど続けて来させていただいていまして、というのも知り合いで山を持っている方がいまして、たけのこ狩りにいつも呼んでいただきまして、高槻駅から10分、15分ぐらい歩いたところでたけのこを取って食べてということで、それがまたおいしくて、自分の中でも自然に触れ合えて1日リラックスできる土地だなと、今日はそのときのことを思い出しながら来ました。
明日からの対局は山水館様で対局させていただきますが、すごく静寂ななかでいい対局ができるように思います。1局目は敗れてしまいましたが、明日からの第2局の対局では皆様の前でいい内容の棋譜を残したいと思います。応援よろしくお願いします」Zenya20 (渡辺棋王挨拶)
「本日は王将戦第2局の前夜祭にこのようなたくさんの方々にお集まりいただきましてありがとうございます。こちらでは初めてのタイトル戦ということで、私ももちろんこちらで指すのは初めてなんですけど、今日は昼間に古墳のほうに皆で見学に行きまして、1500年ほど前のものがいろいろと展示されていたりなど、なかなかそういった人々の暮らしですとか歴史などに触れる機会はありませんので、大変貴重な経験をさせていただいたと思っています。この王将戦も間もなく70期を迎える歴史と伝統のある棋戦で、この高槻市でこの王将戦の対局ができるということを非常にうれしく思っております。対局場のそばは車も通らないような静かな場所で、恐らく明日からは川の音しか聞こえないような静かな場所で指せるということで、将棋に集中できる環境をご用意していただいたことにありがたく思っています。七番勝負はまだ開幕したばかりですが、これからますます1局の比重が大きくなっていきますので、より一層集中して頑張っていきたいと思います。明日からの対局は土曜日、日曜日の対局ということで、大盤解説会にも大勢の方にお越しいただけると思いますので、そういった方々の期待に応えられるような将棋を指さなくてはいけないと思っております。今日からの3日間よろしくお願いします」Zenya22 (乾杯の挨拶を述べる樽井弘三・高槻市教育委員会教育長。将棋は礼に始まり、礼で終わる。相手に対する敬意を忘れない素晴らしさがあると述べた)Zenya23(乾杯!)

(書き起こし:潤記者、写真:飛龍)

Zenya07 (主催者挨拶。齊藤善也・毎日新聞社常務取締役大阪本社代表)
「高槻市では初のタイトル戦になります。高槻市は市制75周年を迎えられまして、日本将棋連盟様と将棋普及において包括連携を取られ、自治体としては全国で初の試みとなりまして、大変素晴らしいことだなと思っております。昨年は大阪北部地震や台風21号など、高槻にお住まいの皆様も大きな被害を受けられ、まだ復興の真っただ中にあるわけですが、こういった明るいニュース、そしてまた前に進む力を後押しできるような形で伝わっていけば、将棋の普及においてもありがたいことだなと思います」Zenya08 (同。磯部亨・スポーツニッポン新聞社取締役大阪本社代表)
「高槻市で初めてタイトル戦が行われるにあたりまして、その記念すべき対局が歴史ある王将戦で行われるということで、主催者の一員として大変うれしく思います。ちょっと将棋からは離れてしまいますが、久保王将は大の阪神ファンで大のゴルフがお好きで、渡辺棋王はヤクルトファンで競馬がお好きということで、スポーツ新聞紙であるスポニチにとっては、ある意味、理想的なおふたりの対戦であります。高槻市様が昨年、市制75年とのことで大変おめでたいことでありましたが、私どもスポニチもおかげさまで2月1日に創刊70周年を迎えます。これもひとえに皆様方のご支援の賜物だと思っております」Zenya09 (同。脇謙二・日本将棋連盟常務理事)
「昨年、9月、日本将棋連盟は高槻市様と包括連携を取らさせていただけることとなりました。簡単に言えば、高槻市様が将棋の普及にご協力いただけることでして、大変ありがたいことで感謝しております。昨年12月には第1回桐山清澄九段杯将棋大会を開催させていただきまして、大変たくさんの人にご参加いただき、大成功を収めました。この2月には日本将棋連盟の子供スクール高槻校を開校させていただきます。本局の記録係である古森四段も講師のひとりでして、こちらのほうもたくさんのお問い合わせや申し込みをいただいておりまして、非常にありがたいことです。そしてこの王将戦第2局、いよいよ明日対局を迎えるに当たりまして、大変感慨深い思いです。振り飛車党の久保王将と、居飛車党の渡辺棋王の対戦ということで、アマチュアに最も好かれる対抗形が見られるのではないかと思っております」Zenya10 (歓迎挨拶。濱田剛史・高槻市長)
「ようこそ高槻においでいただきました。心より歓迎申し上げます。将棋ファンが誰もが知っている数々のエピソードが生まれたこの王将戦が、高槻市史上初のタイトル戦になったということで、高槻市民はもちろんのこと、私も一将棋ファンとしましても大変うれしく思っております。この第2局が高槻市ゆかりの桐山清澄先生、浦野真彦先生、古森悠太先生にお立会いいただけるということで、高槻を上げて盛り上げていきたいと思っている次第でして、お立会いいただける先生方に重ねて御礼を申し上げます」Zenya11 (同。笹内和志・高槻市議会副議長)
「将棋界を取り巻く環境はこの2年ほどでずいぶん変わったのではないでしょうか。藤井聡太七段のプロデビューから無敗の29連勝や、最速、最年少、最高勝率での通算100勝達成は、世間で大きな話題となり、多くの人が将棋界や棋士について関心や憧れを持つようになったと思います。また、最近では新聞やテレビだけでなく、インターネットなどの媒体によって将棋中継を選び見ることができるようになり、今後も多くの棋士の活躍を見る機会が増えることと思います。皆様方のご活躍を期待しております」Zenya12 (来賓挨拶。金田忠行・高槻市観光協会代表理事)
「全国から多くの方に前夜祭にお集まりいただいて、心より歓迎申し上げます。高槻市において王将戦が開催されることとなり、高槻市内においても将棋に対する注目度が否応もなく上がっており、観光事業を通じて地域の活性化に取り組む私どもにおきましても、新しい1ページの始まりと強く期待しております。高槻城からはこれまで、江戸時代の将棋の駒が多数発掘されておりまして、高槻市において将棋は古くから広く親しまれてきた伝統文化と言えます。将棋文化が魅力のひとつとして次世代に受け継がれていくよう、高槻市とともに今後ますます努力していきたいと考えております」

(書き起こし:潤記者、写真:飛龍)

横に長い紙に、まずは久保王将が右半分に揮毫、続いて渡辺棋王の順です。

Kigou01 (紙面の使い方が無難な一文字揮毫を選ぶ。「鍛」)Kigou03 (落款は強すぎず)Kigou04_2 (渡辺棋王が選んだのは……)Kigou06(「学」。紙質について語り、落款を押す強さも紙に合わせる)Kigou07_2 (できあがり)

両対局者は検分に先立ち、今城塚古墳で記念撮影に臨み、散策しました(その模様は明日以降にアップします)。その後、山水館に向かい、検分、揮毫の流れでした。

Kenbun01_2 (久保王将が駒を散らす)Kenbun02_2 (久保王将、王将を据える)Kenbun04 (渡辺明棋王は玉将の次に歩を選んだ)Kenbun06

Kenbun07(立会人の桐山九段が照明について尋ねる。向かって左に浦野八段、右に古森四段)

照明も問題なし。検分は数分で終わりました。

第68期王将戦七番勝負、第1局は挑戦者の渡辺明棋王が久保利明王将に先勝。第2局は1月26日(土)から27日(日)にかけて、大阪府高槻市の「山水館」で行われます。立会人は桐山清澄九段、副立会人は浦野真彦八段、記録は古森悠太四段がそれぞれ務めます。

中継は棋譜・コメントを潤記者、ブログを飛龍が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。