第66期王将戦七番勝負第2局 Feed

2017年1月23日 (月)

_00aいちばん多く示されたのは(A)▲7三角でした。着実に馬を作る狙いです。桐山九段、井田三段、長谷川女流二段、シャンプーハットてつじさんの4名が「自身が指すなら」として予想手にしています。

Img_3926_icon_kiriyama「45手目▲6五桂と跳ねたからには、封じ手は▲7三角だと思います。以下△8一飛には▲6二角成ですが、そこで郷田さんの指す手が悩ましいんです」(桐山九段)

_00bまた「久保先生なら」という視点で(B)▲6九飛の声も数名から挙がりました。飛車の活用を目指します。Twitter解説の八代五段も「▲5八金の銀取りが受けにくそう」とのことで、有力だと見ています。

_00cまたほかの手として、北浜八段は(C)▲4七桂を候補にしました。(A)▲7三角から馬を作ったあとで自陣桂を設置する手順は考えられていましたが、このタイミングだとどこに違いが出るのでしょうか。

Img_3960_icon_kitahama「▲4七桂と予想しておきます。▲3五歩の攻め(△同歩▲同桂が金銀両取りになる)はほぼ実現します。後手は△4二金引であらかじめ受けたいところですが、それは▲7一角が生じてしまいます」(北浜八段)

以上で対局1日目分のブログ更新を終了致します。
ご観覧いただき、誠にありがとうございました。明日は朝9時から対局再開です。

Img_3881_1_huji01 (18時4分、久保九段が49手目を封じるため、隣室に移動している)

Img_3878_1_huji02 (盤上に集中し続ける郷田王将)

Img_3882_1_huji03 (18時9分、久保九段が戻ってきた)

Img_3890_1_huji04 (郷田王将が封印のサインを加える)

Img_3896_1_huji05 (久保九段から立会人の桐山九段に封じ手封筒を手渡して、1日目が終了した)

_48_2封じ手時刻の18時よりも前に、久保九段が記録係に封じ手の準備をうながすような仕草を見せました。局面が動かぬまま定刻を迎え、立会人の桐山九段から49手目を封じるように告げられると、久保九段は「はい」と封じる意思表示をしました。久保九段の封じ手の考慮時間は41分。よって1日目の通算消費時間は▲久保3時間50分、△郷田3時間43分。対局は明日24日(火)の9時に再開します。

_45対局1日目は仕掛けに至る前に封じ手になる、との予想もありましたが、ここで久保九段が仕掛けました。

Img_3844_1_hikae1720 (笑顔が多い桐山九段だが、このときは棋士の眼差しを盤面モニターに向けていた)

「△6五同桂▲同歩△同銀だと▲7三角がありますし、この▲6五桂を放置すると▲5一角が気になりますね。対して△7二飛では受けただけになりますので、▲8六歩と攻められることも後手は考えなければなりません。久保さんとしては、動いたからにはもちろん成算があるのだと思います。非常に悩ましい局面ではありますが、どちらかを持つとするならば、私は先手ですね。ここは形勢に優劣がつくであろうところなので、郷田さんも長考すると思います」(桐山九段)

_48桐山九段が見解を示したあと、実戦は△6五同桂▲同歩△同銀と進みました。
「後手は46手目△6五同桂以外の手だと守勢になってしまうので、敵の手に乗って反撃しようと。狙いはどこかで△5五歩です。ただし▲7三角がありますので、すぐに成立するかは難しいところですが。お互いに指せると見ているはずの激突ですから、これは面白いですよ」(桐山九段)
「45手目▲6五桂は決断でしたね。これはもう千日手になる心配はなさそうです」(北浜八段)

尼崎城(築城1617年、廃城1873年)の城跡に整備された公園です。公園内には尼崎市立中央図書館があります。また本丸跡は尼崎市立明城小学校の敷地として利用されています。2016年12月、尼崎城天守の再建工事が開始されました。完成予定は2018年夏です。

Img_2474_k_siro01 (今月某日撮影。阪神尼崎駅の南側、庄下川のすぐ近くに位置する)

Img_2529_k_siro03 (奥には尼崎市立中央図書館)

Img_2483_k_siro02 (石垣と土塀が復元されている。周囲にはたくさんの松)

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_42ここまで郷田王将は、要所でまとめて長考。対する久保九段は小刻みに少考を繰り返して、図の局面での消費時間は▲久保2時間31分、△郷田3時間24分。駒組みだけで1日目が終えられそうです。
「今日は進んでもあと2~3手ですね。久保先生がどうやって打開するのかに注目です」(大盤解説中の北浜八段)

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Img_3764_1_oban1540a (本局がスローペースということで、15時40分の大盤解説会は七番勝負第1局が並べられていた)

Img_3801_1_oban1540b (ここで漫才コンビ、シャンプーハットのてつじさんが飛び入り参加。熱心な将棋ファンで、第65期王将戦七番勝負第5局の尼崎対局でも現地に訪れていた)

Img_3781_1_oban1540c (本局の検討に戻り、会場のお客さんに向けて次の一手問題が出された)

_32郷田王将は1時間30分以上をこの序盤戦に投入して、△2四歩と突きました。控室の桐山九段は「もう1手、何か指してもらおうということですか。自然にやるなら▲2七銀ですけど、そこでの応手を考えていたのだと思いますね。しかし以下△2三銀~△3二金と銀冠に組むのは、角を打ち込まれる隙が多いので指しにくいです。どういう構想なのか、これから考え始めます」とのこと。
この手を見た久保九段はいちごのショートケーキに着手。すぐに郷田王将もホットコーヒーに手を伸ばしました。

Img_3435_z_gouda (朝の郷田王将。瞑想で集中力を高めていた)

15時、両対局者におやつが運ばれました。注文は、郷田王将が「ホットコーヒー」、久保九段が「いちごのショートケーキ」と「ホットコーヒー」。

Img_3755_1_oyatu02 (ホットコーヒー)

Img_3747_1_oyatu01 (いちごのショートケーキ)

阪神尼崎駅から徒歩6分に位置する、高さ100メートルの超高層ホテルです。1993年に「ホテルニューアルカイック」として開業し、2011年に現ホテル名に改称しました。また、尼崎総合文化センターを構成する施設のひとつでもあります。
http://www.miyakohotels.ne.jp/archaic/

Img_3358_k_aruka (手前は尼崎総合文化センター、奥は都ホテルニューアルカイック)

尼崎総合文化センターでは昨日、尼崎こども王将戦が行われました。両対局者が視察に訪れて、参加していたお子さんに向けてメッセージを残しました。

Img_2604_0_ama01 (郷田王将は、優しく語り掛けるようにしてスピーチ)

Img_2620_0_amakubo (「負けることも大事。次に生かして」と久保九段)

Img_2618_0_ama02 (多くの参加者や保護者が、その言葉を聞きに集まっていた)