第65期王将戦七番勝負第3局 Feed

2016年2月 5日 (金)

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16時45分現在、59手目▲6六銀まで進みました。ここまでの流れを木村八段に聞きました。
木村八段「ひと言でいえば、ゆっくりした流れです。その中で▲4六角(43手目)から▲3七桂という郷田王将の構想はさすがだと思いました。すべての駒を使って押せ押せでいければ理想的です。

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▲5五銀(49手目)に対する羽生名人の△3五歩(2図)は機敏で、先手の構想を崩す一手になったと思います。流れが急になりましたから。後手が有利というわけではありませんが、指していて楽しそうな攻める展開に持ち込めました。△3五歩が後手が細い攻めをつなげられるかどうか。受ける先手も楽しみがありますよ」

20160205_kimura4 (解説する木村八段)

20160205_ooban4 (佐藤康九段と松本六段が飛び入りで大盤解説会に)

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「先手は3八に右金がいるので、▲6六銀(47手目=図)で先手は玉を囲っていく将棋ではありません。後手に攻められたときに玉を4八のほうに逃げるようにしたいです。次の▲5五銀(49手目)では、▲2九飛や▲7五銀が予想されていました。
羽生名人は▲5五銀に△3五歩から動きました。△8六同飛(2図)に▲8七銀として歩得を主張しようとするのは、△8五飛で銀取りと△8六歩を見られてしびれます。

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5五銀を浮き駒にさせるために△3五歩(50手目)と突き捨てたのだと思います」と佐藤康九段は解説します。

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図は49手目▲5五銀の局面。郷田王将の残り時間は1時間13分、羽生名人は1時間33分。本格的な戦いが始まらないまま、2日目の15時45分を回りました。
郷田王将は▲4六角と据えたあと左銀を繰り出して攻めを狙います。戦機が熟してきました。控室では△3五歩が調べられています。以下▲同角△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△7六飛とさばく狙いです。▲5五銀で▲7五銀なら△3五歩からの攻めはありませんでした。



20090211_habu(ホテル花月での対局は本局で6回目となる羽生名人。写真は第58期王将戦七番勝負第3局から)

20160205_oyatu5 (控室に対局者が注文しなかったおやつが届けられた。モンブランや焼きプリンのほかに、ショートケーキ、チョコレートケーキ、チーズケーキもあった)

20160205_oyatu6 (2月14日のバレンタインデーが近いとあって、チョコレートケーキのチョコに「St Valentine's Day」と書いてあった)

20160205_sato1 (佐藤康光九段が控室へ。郷田王将と羽生名人とは奨励会入会同期で長年しのぎを削ってきた間柄。「勉強にきました」とのこと。第51期、第61期の王将。第51期は当時の羽生王将からタイトル奪取した)

20120127_sato (2012年1月に行われた第61期王将戦七番勝負第2局での佐藤康光九段。このときの勝利が大きく、当時の久保利明王将を4勝1敗で破った)

20160205_pie (佐藤康光九段の差し入れ。銀座にあるお菓子店のリーフパイ)

20160205_matsumoto1 (松本佳介六段が控室来訪。栃木県に在住している。出身は埼玉県)

午後のおやつは郷田王将がモンブランとホットコーヒー、羽生名人はフルーツの盛り合わせ(いちご、りんご、メロン、パイナップル、オレンジ)とホットレモンティー。

20160205_oyatu3 (郷田王将のおやつ)

20160205_oyatu4 (羽生名人のおやつ)