第63期王将戦七番勝負第6局 Feed

2014年3月13日 (木)

羽生三冠お気に入りという名物の三瓶そばは、つゆにつけるのではなくだしをかけるのが特徴。さんべ荘の食堂で打ちたてのそばを食べることができる。
以下はさんべ荘内の説明書きより。
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色が濃い出雲そばとは対照的に、そばの実の皮をできるだけ剥ぎ、芯の部分だけを多く使用するために色が濃く、喉ごしが良いのが特長。昭和7年、三瓶山を訪れた俳人・河東碧梧桐は、多根の旧家森山家で三瓶そばをふるまわれ、そのうまさに驚き、信州戸隠のそば以上だと褒め称えたと伝えられる。

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(外は霧のような雨。風が強い)

13時30分を回ってすぐ、渡辺王将が入室。盤面を見ながら上座へ向かった。「時間になっております」と梶浦三段に告げられると、「はい」と答えて腰を下ろす。13時34分、羽生三冠が入室。腰を下ろして身の回りを整えると、すぐに盤上へ手を伸ばした。

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12時30分、図の局面に昼食休憩に入った。昼食は渡辺王将が山かけそば(わさび抜き)、羽生三冠が昨日と同じく割子そば。羽生三冠は三瓶そばがお気に入りで、過去にさんべ荘を訪れた際には2日間で割子そば16枚を完食したとのこと。対局は13時30分に再開される。

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11時59分、渡辺王将は△3九角(図)と角を放った。モニタを見た鈴木八段は「たまげたね」とぽつり。ニコニコ生放送の森内竜王・名人も「すごい手が出ましたね」と驚いた様子。今期七番勝負の第3局では羽生三冠が同じように駒取りを手抜いて△3九角と打っていた。「やられたらやり返す、ですか。倍返しになるかはわかりませんが」と鈴木八段。これに羽生三冠は手抜いて▲6三歩成と銀を取った。昼食休憩を目前にして、局面は慌ただしく動いている。

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こちらが第3局の△3九角。現地の久保九段も、ニコニコ生放送の広瀬七段(現八段)も見えていなかった。奇しくも手数は本局と同じ64手目。

今朝、対局室のある別館に向かう途中、谷間から立ち上る霧が見えた。標高の高い位置から見下ろすと、霧が一面に立ち込め海のように見えることがあり、これを「霧の海」と呼ぶ。さんべ荘の方に聞くと、昨日と今日の寒暖差が大きかったので霧が見えたのではないか、とのこと。

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さんべ荘には過去に行われた王将戦七番勝負の記録などが展示されている。今日のニコニコ生放送に出演している森内竜王・名人の当時の写真も。これは10年前のものだ。久保利明九段(当時八段)との写真は2008年のもの。

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先手が▲3三角成と角交換して後手が△3三同金と応じた局面。この△同金に鈴木八段が驚いた。「えっ。これは昨日の大盤解説会で『形が悪いからこう取ってはいけません』って言った手ですよ」。3三の地点はいわゆる「桂の通り道」で、ここに金を置くのは悪形になることが多い。ましてや図ではすぐにでも▲4五桂と跳ばれて当たりになる形だ。△3三同桂と取って3筋を攻められるよりは、ということだろうか。近藤六段は「鈴木さん『これはない』って言ってたよ」とにこにこ顔。「いやー。たまげたね」と鈴木八段。

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11時過ぎ、上の図から十数手進んだ局面。盤上各地で駒がぶつかり激しい戦いになっている。鈴木八段は△7四銀を予想していたが、ニコニコ生放送の森内竜王・名人はそれには▲7五歩で先手持ちなのでは、と話していた。「それはむしろ後手持ちと思っていたんですが。長考しているし、△6四同銀なのかなあ。でも▲2二歩から十字飛車の筋(▲2四飛~▲3四飛)で、受かる気がしないですけど」と鈴木八段はつぶやく。

10時30分、対局室におやつが運ばれた。注文は二人とも飲み物だけで、渡辺王将がホットコーヒー、羽生三冠がレモンティー。対局者に出されたものとは別に「魔法のコーヒー」と呼ばれるコーヒーをいただいたが、苦味と酸味が弱めでコーヒーが苦手でも楽しめそうな味だった。

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