2021年2月

2021年2月14日 (日)

15時、おやつが出されました。注文は渡辺王将がアップルマンゴーのマンゴープリン、フレッシュオレンジジュース、フェアトレードコーヒー。永瀬王座がカットフルーツ(苺多め)、立川産ブルーベリーとバナナのスムージー、立川産キウイフルーツのジュース、フェアトレードコーヒーです。飲み物は対局室に、食べ物は対局者控室に運ばれます。

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14時から「パレスホテル立川」で特別座談会が始まりました。出演者は谷川九段、佐藤康九段、室谷女流三段。谷川九段があいさつで「進行が思ったよりも早いので、戦況を気にしながら進めていきたい」と話しました。室谷女流三段が進行役を務め、谷川九段と佐藤康九段が「王将戦の思い出」をテーマに語ります。

谷川九段は第41期から王将4連覇し、佐藤康九段は第51期と第61期の王将です。谷川九段は1995年、阪神・淡路大震災の前後に戦った第44期七番勝負を「鮮明に覚えている」と語りました。佐藤康九段は第51期七番勝負を挙げ、「本格正統派という看板が揺らぎ始めた、自分の殻を破るきっかけになった」という第1局について話していました。三間飛車からスタートし、飛車と香2本を端に並べて居飛車穴熊を打ち破ったインパクトの大きい一局です。

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12時30分、図の局面で永瀬王座が24分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬王座5時間36分、△渡辺王将5時間10分。昼食は渡辺王将が信玄どりの親子丼をサラダなしで、永瀬王座は那須産鰻のうな丼、あまおう苺の苺大福を注文しています。対局は13時30分に再開されます。

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王将戦七番勝負はこれまでに何度か東京都で行われていますが、将棋会館を除くと回数はあまり多くありません。今回、東京都で王将戦が開催されるのは実に20年ぶりのことです。前回は第50期七番勝負第1局が江東区の「ホテルイースト21東京」で行われました。第50期七番勝負は羽生王将(当時)に谷川九段が挑戦、羽生王将が4勝1敗で防衛したシリーズです。

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控室では佐藤康九段と中川八段が継ぎ盤を挟んで検討しています。評判は永瀬王座よし。中川八段は永瀬王座の状況について「駒得で、自然な手を指していけば優勢を拡大できる。厚いです」と解説。佐藤康九段は渡辺王将の陣形を示して「雁木なので城外が響く展開ですね」と、玉が不安定な点を懸念材料と見ています。

2人は撮影用のおやつで休憩に入れました。佐藤康九段が選んだのは立川産キウイフルーツのジュース。「おいしいですね。20年前を思い出します。キウイをたくさん食べたら調子がよかったんですよ」。2002年の第51期王将戦七番勝負第1局で、佐藤康九段はキウイフルーツを好んで注文しました。このシリーズは佐藤康九段が羽生善治王将(当時)を4勝2敗で破って王将位を獲得しています。

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10時30分、おやつが出されました。飲み物だけで、対局室に運ばれます。渡辺王将はフレッシュオレンジジュース、フェアトレードコーヒー。永瀬王座は立川産ブルーベリーとバナナのスムージー、立川産キウイフルーツのジュース、フェアトレードコーヒーを注文しました。

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封じ手は2通作成して立会人に預けるのが通例です。封じ手を行う対局者は動かす駒に丸をつけ、矢印で動かす先を示します。成か不成の選択がある場合は、どちらかを書き入れます。

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9時、谷川九段が「封じ手を開封します」と告げ、両対局者の横に移動して封筒にはさみを入れました。封じ手用紙を広げて両対局者に見せ、永瀬王座が封じ手を着手します。封じ手はこの一手と見られていた▲4五飛でした。長机に戻った谷川九段が再開を告げ、対局が再開されました。

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対局室に永瀬王座、渡辺王将の順に入室して対局の準備が始まりました。駒を並べ終えると、記録係の田中三段が1日目の指し手を読み上げて、両対局者が再現していきます。封じ手の局面になると、谷川九段が両対局者に「定刻まで少し時間がありますので、待ってから開封します」と声をかけていました。

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