2017年1月

2017年1月24日 (火)

_50久保九段の封じ手に対して、郷田王将は55分の長考で返しました。控室のモニターに△8六歩が映し出されると、今泉四段が「激しい一着ですよ」と開口一番。
「△6九飛を悪手にしたい、という手ですよね。しかし怖い手でもあります。▲5八金にどうやるのでしょうね。(1)△6四歩には▲7三角がありますし、(2)△5三桂や(3)△7三桂には▲7七桂です。受け方がいまひとつ分かりません」(今泉四段)

Img_4163_1000imaizumi (上記変化の解説中、後手の応手に悩んで頭を押さえる今泉四段)

Img_4166_tugiban (このとき、継ぎ盤は桐山九段と菅井七段が囲んでいた)

Img_4144_0930a (さっそく複数の棋士が訪れている。北浜八段と菅井竜也七段)

Img_4146_0930b (本日も大盤解説会の聞き手を務める長谷川女流二段。記者のパソコンを覗き込む)

Img_4153_0930c (封じ手開封の仕事を終えた桐山九段と、元気よく控え室に訪れた今泉健司四段)

Img_4131_0930d (継ぎ盤の周りに集って、変化を調べ始めた)

Img_4071_2_huji01 (記録係が棋譜を読み上げ、1日目の指し手を再現していく)

Img_4079_2_huji03 (郷田王将)

Img_4083_2_huji04 (久保九段)

Img_4086_2_huji02 (48手目△6五同銀)

Img_4093_2_huji05 (桐山九段が記録机の逆側に回り込み、封じ手封筒を開封)

Img_4097_2_huji06 (「封じ手は▲6九飛です」と大きな声で告げ、久保九段が着手)

Img_4106_2_huji07 (深く一礼し、対局が再開した)

Img_3992_2_a01 (両対局者が入室する前、立会人と記録係による封じ手開封の打ち合わせ中)

Img_4003_2_a02 (桐山九段の手元には封じ手封筒と開封用のハサミ)

Img_4006_2_a03 (両対局者の到着を待つ)

Img_4017_2_a04 (先に姿を見せたのは久保九段。8時44分だった)

Img_4066_2_a05 (8時47分に郷田王将。8時51分に駒を並べ終えた)

Img_2260_k_iseki14 (鳥飛ぶ田能遺跡)

おはようございます。本日の尼崎は最高気温6度。昨日は一時的に雪が見られましたが、本日もそのような予報です。
対局2日目のスケジュールは下記のとおりです。

09:00 封じ手開封、対局再開
10:00 現地大盤解説会開始
10:30 午前のおやつ
12:30 昼食休憩
13:30 対局再開
15:00 午後のおやつ

Img_3986_1110sinbun (スポーツニッポン紙面。昨日、紙面用の記念撮影が行われていた)

【第2局 桂を交換、開戦間近 | 毎日新聞】
http://mainichi.jp/articles/20170124/ddm/041/040/101000c

【久保九段初手振り飛車 郷田王将気迫ある少考 王将戦第2局 | スポニチ SponichiAnnex】 http://www.sponichi.co.jp/society/news/2017/01/24/kiji/20170123s00042000326000c.html

【掲載済みの各種情報記事】
現地大盤解説会 将棋プレミアム Twitter解説

2017年1月23日 (月)

_00aいちばん多く示されたのは(A)▲7三角でした。着実に馬を作る狙いです。桐山九段、井田三段、長谷川女流二段、シャンプーハットてつじさんの4名が「自身が指すなら」として予想手にしています。

Img_3926_icon_kiriyama「45手目▲6五桂と跳ねたからには、封じ手は▲7三角だと思います。以下△8一飛には▲6二角成ですが、そこで郷田さんの指す手が悩ましいんです」(桐山九段)

_00bまた「久保先生なら」という視点で(B)▲6九飛の声も数名から挙がりました。飛車の活用を目指します。Twitter解説の八代五段も「▲5八金の銀取りが受けにくそう」とのことで、有力だと見ています。

_00cまたほかの手として、北浜八段は(C)▲4七桂を候補にしました。(A)▲7三角から馬を作ったあとで自陣桂を設置する手順は考えられていましたが、このタイミングだとどこに違いが出るのでしょうか。

Img_3960_icon_kitahama「▲4七桂と予想しておきます。▲3五歩の攻め(△同歩▲同桂が金銀両取りになる)はほぼ実現します。後手は△4二金引であらかじめ受けたいところですが、それは▲7一角が生じてしまいます」(北浜八段)

以上で対局1日目分のブログ更新を終了致します。
ご観覧いただき、誠にありがとうございました。明日は朝9時から対局再開です。

Img_3881_1_huji01 (18時4分、久保九段が49手目を封じるため、隣室に移動している)

Img_3878_1_huji02 (盤上に集中し続ける郷田王将)

Img_3882_1_huji03 (18時9分、久保九段が戻ってきた)

Img_3890_1_huji04 (郷田王将が封印のサインを加える)

Img_3896_1_huji05 (久保九段から立会人の桐山九段に封じ手封筒を手渡して、1日目が終了した)

_48_2封じ手時刻の18時よりも前に、久保九段が記録係に封じ手の準備をうながすような仕草を見せました。局面が動かぬまま定刻を迎え、立会人の桐山九段から49手目を封じるように告げられると、久保九段は「はい」と封じる意思表示をしました。久保九段の封じ手の考慮時間は41分。よって1日目の通算消費時間は▲久保3時間50分、△郷田3時間43分。対局は明日24日(火)の9時に再開します。

_45対局1日目は仕掛けに至る前に封じ手になる、との予想もありましたが、ここで久保九段が仕掛けました。

Img_3844_1_hikae1720 (笑顔が多い桐山九段だが、このときは棋士の眼差しを盤面モニターに向けていた)

「△6五同桂▲同歩△同銀だと▲7三角がありますし、この▲6五桂を放置すると▲5一角が気になりますね。対して△7二飛では受けただけになりますので、▲8六歩と攻められることも後手は考えなければなりません。久保さんとしては、動いたからにはもちろん成算があるのだと思います。非常に悩ましい局面ではありますが、どちらかを持つとするならば、私は先手ですね。ここは形勢に優劣がつくであろうところなので、郷田さんも長考すると思います」(桐山九段)

_48桐山九段が見解を示したあと、実戦は△6五同桂▲同歩△同銀と進みました。
「後手は46手目△6五同桂以外の手だと守勢になってしまうので、敵の手に乗って反撃しようと。狙いはどこかで△5五歩です。ただし▲7三角がありますので、すぐに成立するかは難しいところですが。お互いに指せると見ているはずの激突ですから、これは面白いですよ」(桐山九段)
「45手目▲6五桂は決断でしたね。これはもう千日手になる心配はなさそうです」(北浜八段)