2013年3月 6日 (水)

大盤解説会 真田七段の解説

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図は16時30分頃の局面。△3五銀までの消費時間は▲佐藤3時間25分、△渡辺2時間16分(持ち時間各8時間)。

真田七段による現局面の解説です。
まず、後手が攻めるためには△7四銀~△7三桂の2手が必要ですが、現局面はそれが間に合っていません。それは先手が2歩損の代償にスピードを付けて攻めているため。先手は後手の右側の銀桂が働く前に攻め続けたい、後手は局面を収めて2歩得を主張したい、そのあたりのせめぎ合いとなっています。

図の△3五銀では、△3三桂も考えられたようですが、将来先手に歩がもう一枚入ると▲2四歩△同歩▲2三歩△同金▲2五歩の攻めが厳しくなります。「桂を跳ねると玉が弱体化するので、渡辺竜王の好む展開ではないかもしれません」と真田七段。
△3五銀に対して先手の候補手は、▲5五角か▲6八角。▲5五角は歩を補充する狙いですが、取った瞬間は角の働きがいまひとつ。さらに△5四歩▲3七角△3三桂から次に△4五桂や△3六銀で角が狙われやすいとのこと。「1歩補充することが非常に大きいと見れば▲5五角とするかもしれません。普通は角が狭く危険なので▲6八角が本線です」と真田七段。

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(大盤解説会場で詳しく解説する真田七段)