2025年5月22日 (木)

将棋会館の近くにある鳩森八幡神社は、新年に将棋堂祈願祭が執り行われるほか、夏には盆踊り大会で浴衣姿の棋士や女流棋士が指導対局を行うなど、将棋を通じた交流のある神社です。境内に奉納された絵馬には棋力向上を願うものもありました。

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12時、佐々木八段が41分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬九段8分、△佐々木八段59分。昼食の注文は永瀬九段がキーマカレー(rico curry)の大盛り・温泉卵2個追加・パクチー抜き、佐々木八段がヒレカツ定食ライト(ふじもと)。両者ともゼリー飲料の買い出しを頼んでいます。対局は12時40分に再開されます。

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戦型は角換わり腰掛け銀になりました。決まった形に進みやすいため、事前研究がものをいう戦型です。対局開始から45分ほどで▲4五桂(43手目)と跳ねて戦いの火蓋が切られました。角換わり腰掛け銀の定跡形でテーマ図の一つです。最近のタイトル戦では、2024年9月の第72期王座戦五番勝負第2局で現れました。先手は藤井聡太王座、後手は永瀬九段で、結果は先手勝ち。

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本局もこの王座戦第2局の進行を踏襲しています。結果を踏まえると後手が変化するのが自然ですが、相手の研究を警戒して勝った側が手を変えることもしばしばあります。どちらが研究手を出すか注目です。

両者の対戦は過去に13局あり、永瀬九段10勝、佐々木八段3勝と永瀬九段が大きくリードしています。初手合となった2011年の新人王戦、2012年の順位戦C級2組はいずれも永瀬九段の勝ち。当時は2人とも四段で、永瀬九段は今と違って振り飛車党でした。ここから実に9年間も対局がない時期が続き、2021年の叡王戦本戦でようやく3局目の対戦が実現します。2023年以降は対局の頻度が増え、今に至ります。王位戦では初めての対戦です。

旧将棋会館の2階にあった研修室の壁には、棋士やファンが別れの言葉を残していました。佐々木八段は感謝とともに「永瀬さんと50対局指したい!」と書いています。現在、旧将棋会館は解体工事が進められています。

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本局の観戦記は内田晶さんが担当します。北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・徳島新聞・西日本新聞の各紙に掲載されます。今日の東京新聞には、今期の挑戦者決定リーグ紅組、渡辺明九段と大橋貴洸七段の一戦の観戦記が掲載されています。大川慎太郎さんが執筆しました。

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