
封じ手は当たりになっている銀を引く△6三銀(80手目)でした。この一手という指し手だったため、昨夜は両対局者ともその後の展開に考えを巡らせたものと思われます。ここから▲3九飛△4四銀▲5七金右と進み、永瀬九段が手を止めています。

藤井王位が穏やかな方針を選んだことで、しばらくは戦いを見据えた陣形整備が続きそうです。先手は角の打ち込みを常に警戒する必要があり、後手は玉の薄さと2筋の壁形が悩み。どちらも不安を抱えていますが、控室で検討している瀬川六段は「見た目以上に先手の苦労が多いのでは」との見解。盤上の角と持ち角の差が大きいと見ています。
