2022年6月28日 (火)

Zenya16(続いて、退出した両対局者に代わって登壇したのは……)

Zenya17 (左から澤田真吾七段、小林健二九段、高田明浩四段)

Zenya18(立会人の小林健九段)

「立会人なので公平な立場が一番。明日はしっかり務めさせていただく。挑戦者決定戦で負けた池永は私の弟子なんですよ。池永と一緒にご飯食べて、今から45年前に私、王位戦の挑戦者決定戦で当時の米長八段に負けたんですね。二十歳のときでした。名古屋の駅前のしゃぶしゃぶ屋で生まれて初めて師匠にしゃぶしゃぶをご馳走になって、『健二、明日負けたら王位戦、記録やらすぞ』っていわれて、本当に記録取ったんですけども、池永にその話をしたら『取ってもいいです』っていうから、『いやもういいよ』って。澤田君も惜しかったんだよな」

Zenya20(副立会人の澤田七段)

「小林先生のお弟子さんの池永君を挑戦者決定戦に送り出したのが私です。藤井王位は常に8割以上勝っていて、とにかく強い。豊島九段もただただ強いという印象で、リーグでは若い方がたくさんいる中で貫禄を示した。明日は副立会人を務めますが、私、千日手は経験よくしてますので、好きではないんですけど、何度目の同一局面かを数えるのは得意なのでおまかせください。止めることはできませんので、数えるだけ。明日は第1局なので振り駒でどちらが先手になるか。相居飛車の最新形が見られると思うので私も勉強したい」

続いて高田四段。2日目に行われる現地大盤解説会の解説を務めます。なお、大盤解説会は事前申し込み制で、すでに締め切られているためご注意ください。

Zenya22(高田四段は澤田七段の弟弟子でもある)

「藤井王位は、自分が先に二十歳になってお酒を飲めるというのはリードしたんですけど、将棋はだいぶ引き離されてしまって。持ち時間が長い棋戦でより強さを発揮するイメージがあるので、明日からの王位戦が楽しみ。豊島九段は序盤も中盤も終盤も隙がなくて、序盤どれくらい飛ばすのか興味を持っています。今回は小林先生が立会人なので四間飛車を見てみたいんですが、戦型は相掛かりが一番出てくる可能性が高いと思います」

(書き起こし:文)

関係者挨拶に続いて登壇した両対局者は対局への意気込みを話しました。

Zenya09(藤井王位)

「犬山での対局は以前に見学したことがある。明日からの対局は当時の自分が感じたように、見ていただける方に楽しんでいただける将棋を指したい」

Zenya11(豊島九段)

「子供のころに祖父母に連れられて来た記憶があり、懐かしい。自分なりに精いっぱい、力を出して熱戦にしたい」

Zenya13 (第1局に先立って1文字ずつ揮毫した)

Zenya15(司会は東海ラジオの大沢広樹アナウンサー。揮毫の入ったTシャツを着用)

(書き起こし:文)

2022年6月27日 (月)

第1局は事前申し込み制で前夜祭が開催されました。コロナ禍前のような食事つきのものではなく、各位挨拶、対局者決意表明、見どころ紹介、色紙等がプレゼントされるじゃんけん大会と続きました。

Zenya01(大島宇一郎・中日新聞社社長)

「愛知県対決がまた王位戦で実現した。愛知県は将棋の盛んな地域で地元のファンも注目している。熱戦を期待したい」

Zenya03 (杉本昌隆・日本将棋連盟理事)

「どちらを応援するか困ってしまう方もいると思うが、どのような結果になっても愛知に王位が残る。安心して見ていただければ」

Zenya05(山田拓郎・犬山市長)

「天下を争った小牧長久手の戦いは頭脳戦だった。藤井王位と豊島九段は将棋界の天下人。小牧長久手の戦いを彷彿とさせる王位戦になると思う」

Zenya07 (両対局者入場)

Zenya08(登壇)

(書き起こし:文)

Kaiken03(続いて豊島九段)

――改めて藤井王位の印象を。
豊島 一番感じたのはやっぱり中終盤の読みの正確さですけど、序盤戦術も非常に新しいものを取り入れて指されている印象です。

――昨年のシリーズをどう総括するか。
豊島 出だしの3局くらいは割と序盤はうまくいっていて、中終盤は第1局はうまく指せて、2、3はミスが多かったかな、と思うのですが、そのあとはこちらの内容が悪くなって、序盤もあまりうまくいかなくなったかなと思います。

――どのようなシリーズにしたいか。
豊島 去年に続いてですけど、自分としては今年が始まってから新しい気持ちで将棋に取り組んでいて、無冠になったのでタイトル戦に出られるかどうかもわからない状況で、出られるとしてももうちょっと時間がかかるかなと思っていたんですけど、こうしてまた出られてうれしく思うので、それを盤上に表現していって、自分なりに精いっぱい指していい勝負にできたらと思っています。

――「新」という字を揮毫した。
豊島 さっき話したような感じで、新しい気持ちで指していって、昨年とは違うような新しい展開になればと思いました。

――犬山城は織田信長、徳川家康、豊臣秀吉の3人が奪い合った城。3人の武将の中で誰が好きか。
豊島 (笑)。信長ですかね。けっこう革新的なことをたくさんされてきた印象があるので。誰が好きというわけではないんですけど(笑)。

Kaiken04

――今年からの新しい取り組みについて、もう少し具体的に。
豊島 普段の勉強や研究方法が大きく変わったというわけではないんですけど。やっぱり結果的にもいろいろ見直さないといけないと迫られている状況なので。詰将棋であったり棋譜並べであったり、一般的なことをやっていく中でも、目のつけどころとか意識を変えていけば、ちょっとずつ変わっていくのかなというふうに思っています。

――タイトル戦という舞台にどういった心境で臨むか。
豊島 やはりタイトル戦は特別な緊張感があって、それを感じている。半年で出られたので、前に王将戦(2011年1~3月、第60期王将戦)で挑戦して、しばらく出られなかったので、そのあとに王座戦(2014年9月~10月、第62期王座戦)に出たときは場の空気に慣れるのに時間がかかってしまったんですけど、そういうことはなく指せるのかなと思います。

――今年は岩佐美帆子女流2級が弟子になったり、師匠の桐山清澄九段が引退を迎えたり、環境の変化があった。
豊島 そうですね。弟子を取って自分もしっかりしないとという気持ちになりましたし、師匠は引退にはなってしまったんですけど、最後まで闘志を持って戦われている姿を見て、自分ももっとよりいっそう頑張らないといけないという気持ちになっていて、それがすぐ結果に反映するわけではないんですけど、モチベーション高く取り組めているのかなと思います。

――愛知出身の2人が愛知で対局する。
豊島 愛知県での対局は自分にとっても非常にうれしいことですし、地元が盛り上がっていただけたらうれしく思います。犬山は子供のころ何度か来ているので懐かしく感じています。

(書き起こし:文)

検分後、対局に先立って記者会見が行われました。

Kaiken01 (まずは藤井王位から)

――1年ぶりに豊島挑戦者を迎えての戦いになる。前期を踏まえて今期の気持ちは。
藤井 前期は結果は幸いしましたが、内容は押されている苦しい将棋が多かったのかなと思います。今期はそのことを踏まえて改善していかなくてはいけないかなと思います。

――先日の順位戦A級は名古屋の対局場で指されて白星スタートを切った。対局は昨年より減っているが、調子はどうか。
藤井 そうですね。調子がいいか悪いかは難しいですけど。これから王位戦も始まってそれ以外の対局も増えてくると思うので、それに向けてしっかりコンディションを維持していきたいと思います。

――犬山は藤井さんが奨励会時代に羽生王位と木村八段の対局(第57期七番勝負第1局、肩書・段位は当時)を見学された場所。戻ってこられた気持ちは。
藤井 奨励会員時代に犬山の王位戦の対局を見学させていただいたことがあって、当時それまでそういった機会がなかったので、トップの戦いを間近で見ることができてとても勉強になった記憶があります。そういった舞台を今回、対局者として迎えられるのがうれしく思います。

――東海地方出身者の対決になる。ファンに向けての意気込みを。
藤井 今年また王位戦七番勝負が愛知県からのスタートということでうれしく思っています。東海地方出身の豊島九段との対局ということで、地元のファンの方に大変多く注目していただいていると思いますので、期待に応えられるようなシリーズにしたいと思っています。

――今期、「進」という揮毫を書いた。
藤井 そうですね、前期は苦戦を強いられてしまったところがあるかなと思うので、前期より進歩したいという思いは持っています。

――豊島さんとの対局では新たな内容の将棋を期待されていると思う。
藤井 豊島九段とは昨年多く対戦しましたけど、今年に入ってからあまり対戦がないので、昨年までとは違った戦いになるのかなと思っています。

Kaiken02

――去年、豪雨災害で行けなかった佐賀の嬉野での対局が第4局にある。
藤井 今期、嬉野市で予定していただいていて、前期は災害があって残念ながら開催できなかったのですが、今期また開催していただけることをうれしく思いますし、自分自身もうかがえることを楽しみにしています。

――王位防衛の意気込みを。
藤井 豊島九段とは昨年、タイトル戦の番勝負で対戦する機会があって、その中でいろいろ課題が見つかったと思うので、今回の王位戦七番勝負でその見つかった課題を取り出していきたいと思います。

――どんな点が課題か。
藤井 特に王位戦と竜王戦が2日制の対局でしたけど、その中で序盤の早い段階で先行されてしまう展開の対局が多くあったと思うので、そこが一番の課題になるのかなと考えています。

――並行して2つのタイトル戦を戦う。コンディション面でダブルタイトル戦をどう戦うか。
藤井 王位戦と棋聖戦を並行してという形になりますけど、うーん、番勝負、シリーズを意識するというよりは、次の一局、目の前の一局に集中して臨むという意識でやっていけたらいいかなと思っています。

――この王位戦の最中に19歳から20歳になる。心境の変化は。
藤井 そうですね、いや……。特段心境の変化はないんですけど、20代になるということで、すごく大事な時期なのかなと考えているので、今シリーズしっかり取り組んでいきたいと思います。

――名古屋将棋対局場ができた。環境の変化をどう受け止めているか。
藤井 名古屋に対局場を開設していただいて、私も先日対局したんですけど、やっぱり移動の負担がすごく軽減されたのかなと思いますし、新たな拠点を作っていただいたことで東海地方の将棋界が盛り上がっていけばと思っています。

(書き起こし:文)

予定の16時を少し早めて検分が始められました。普段の東西の将棋会館と違う環境の対局場で、盤駒の具合や光の加減などを確認します。

Kenbun01 (盤側に関係者。豊島九段から右に折田四段、澤田七段、小林健九段)

Kenbun03 (3連覇を目指す藤井王位)

Kenbun05(挑戦者の豊島九段)

特に問題なく、数分で検分は終了しました。

Kenbun07 (検分終了の一礼)