(立会人の小林健九段)
「立会人なので公平な立場が一番。明日はしっかり務めさせていただく。挑戦者決定戦で負けた池永は私の弟子なんですよ。池永と一緒にご飯食べて、今から45年前に私、王位戦の挑戦者決定戦で当時の米長八段に負けたんですね。二十歳のときでした。名古屋の駅前のしゃぶしゃぶ屋で生まれて初めて師匠にしゃぶしゃぶをご馳走になって、『健二、明日負けたら王位戦、記録やらすぞ』っていわれて、本当に記録取ったんですけども、池永にその話をしたら『取ってもいいです』っていうから、『いやもういいよ』って。澤田君も惜しかったんだよな」
(副立会人の澤田七段)
「小林先生のお弟子さんの池永君を挑戦者決定戦に送り出したのが私です。藤井王位は常に8割以上勝っていて、とにかく強い。豊島九段もただただ強いという印象で、リーグでは若い方がたくさんいる中で貫禄を示した。明日は副立会人を務めますが、私、千日手は経験よくしてますので、好きではないんですけど、何度目の同一局面かを数えるのは得意なのでおまかせください。止めることはできませんので、数えるだけ。明日は第1局なので振り駒でどちらが先手になるか。相居飛車の最新形が見られると思うので私も勉強したい」
続いて高田四段。2日目に行われる現地大盤解説会の解説を務めます。なお、大盤解説会は事前申し込み制で、すでに締め切られているためご注意ください。
(高田四段は澤田七段の弟弟子でもある)
「藤井王位は、自分が先に二十歳になってお酒を飲めるというのはリードしたんですけど、将棋はだいぶ引き離されてしまって。持ち時間が長い棋戦でより強さを発揮するイメージがあるので、明日からの王位戦が楽しみ。豊島九段は序盤も中盤も終盤も隙がなくて、序盤どれくらい飛ばすのか興味を持っています。今回は小林先生が立会人なので四間飛車を見てみたいんですが、戦型は相掛かりが一番出てくる可能性が高いと思います」
(書き起こし:文)