2025年8月18日 (月)

対局者の降壇後、出演棋士による対局の見どころトークショーが開かれました。

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(藤井奈々女流初段、中田功八段、森下卓九段、稲葉陽八段が出演。「対局の見どころ」のはずが、「森下少年と中田少年の出会い」から「40年後の将棋界」まで、多岐にわたるテーマで30分語り合った)

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(終わりに中田功八段が「森下さん、お祝いがあるんですよね」)

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(3月に公式戦通算1000勝を達成した森下卓九段に、宗像ユリックス内で開かれているこども将棋教室の生徒さんから花束が贈られた)

森下卓九段、1000勝(特別将棋栄誉賞)を達成!】(日本将棋連盟)


藤井女流初段「実は中田先生もお祝い事がありましたよね……」
中田八段「俺のは聞いてないよ!?」

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(7月に公式戦通算600勝を達成した中田八段にも、こども将棋教室の生徒さんから花束が贈られた)


中田功八段、600勝(将棋栄誉賞)を達成】(日本将棋連盟)

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(中田八段は、森下九段へのサプライズだけ知らされていたそうだ)

前夜祭の模様は以上です。明日の対局をお楽しみに!

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藤井聡太王位あいさつ

「宗像市は宗像大社に代表される歴史のある町という印象でしたが、市長からご紹介がありましたように『食のまち』でもあるということで、お食事やおやつを楽しみにしています。第4局ということでここまでの3局を戦った経験をもとに、よりよい内容の将棋を皆様にお見せできるように2日間しっかり集中して戦っていきたいと思います」

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永瀬拓矢九段あいさつ

「福岡は明太子、穴子のイメージが強かったですが、今回宗像市にうかがうことができて、名産のとらふく(とらふぐ)、アカモク、宗像牛と美味しいものがたくさんあると伺いました。明日はまずアカモクと宗像牛をいただこうと思っています。ありがとうございます。
明日から第4局で、ここまで厳しい星取りとなっていますが、私自身ができることは決まっています。盤上に集中し、熱戦にできるようにがんばりたいです」

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(ユリックスジュニアブラスの男の子たちが花束を贈呈した)

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(河野克也・宗像市副市長と伊豆美沙子・宗像市長が「宗像を将棋で盛り上げタイ!」と鯛しゃぶセットの目録を贈呈)

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(記念撮影)

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(来場した棋士の記念撮影。藤井王位と永瀬九段はこのあと退場した)

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田川大介・西日本新聞社代表取締役社長あいさつ

「宗像市での王位戦開催は初めて。古来より海上交通の要衝、日本と大陸を結ぶ玄関口として重要な役割を担ってきた地域で、[『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群]がユネスコ世界遺産に登録されています。大島の中津宮(宗像大社の一部)に大量の土砂が流れ込む被害があったと聞いて、心配しています。地元の皆様や将棋ファンの皆様と共に第一級の勝負の緊張と美しさを共有できることをうれしく思います」

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森下卓・公益社団法人日本将棋連盟常務理事あいさつ

「北九州出身で、宗像大社には家族旅行で何度となく参拝に上がりました。宗像大社のみならず、宗像の地そのものが御神域と認識していて、宗像大社の神様と地元の皆様が見守る中で、最高の素晴らしい将棋を見せてもらいたいと思っています」

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伊豆美沙子・宗像市長あいさつ

「宗像は『食のまち』を掲げ、海の幸、山の幸を生かした最高のグルメを楽しめるところで、厳選した勝負メシ、勝負おやつをご用意いたしました。今回の対局がこどもたちの心に深く刻まれ、宗像からおふたりに続く若い棋士が育つことを願っています」

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栄永浩士・株式会社伊藤園中四国・九州地域営業本部 北九州地区部長あいさつ

「伊藤園は日本を代表する緑茶を取り扱う企業としてこれまでも歌舞伎、俳句、大相撲などの日本の文化を応援してまいりました。将棋は第62期から協賛させていただき、5期目になります。お~いお茶は海外では気分をシャキッとさせるというクリエイティブサポート飲料として親しまれていて、明日からの対局でもより良い一手をサポートできるのではないかと思っています」

18時から、宗像ユリックスのハーモニーホールで前夜祭が行われました。

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(宗像ユリックスを拠点に活動する金管バンド「ユリックスジュニアブラス」による演奏。1曲目はカーペンターズのI Need to Be in Love[邦題:青春の輝き])

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(2曲目「となりのトトロ」オープニングテーマの「さんぽ」をBGMに、藤井聡太王位と永瀬拓矢九段が入場)

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(3曲目はアニメ「忍たま乱太郎」のオープニング曲「勇気100%」)

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(会場からは手拍子)

検分のあとに、両対局者への取材と、西日本新聞の「こども記者」による取材が行われました。公募された小中学生がインタビューを行います。

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(まずは「おとな記者」の取材)

藤井聡太王位コメント抜粋「第3局までは際どい将棋が続いているので、(3連勝という)スコアのことは考えず、2日間集中し、よい内容の将棋にしたいです。宗像市は初めてで、大社があって歴史のあるところというイメージで、本局にあたって地元の方に高い熱意で迎えていただいていることはすごくうれしく思います」

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(藤井聡太王位がこども記者の質問に答える)

◆こども記者から藤井王位への取材
Q.こどものころは負けず嫌いだったそうですが、その経験はいまどんな風に影響していますか。
A.悔しさを抑えきれずに泣いてしまったこともあります。いまでも負けて悔しいという気持ちは持っていますが将棋は必ず勝ちか負けが出るので、勝ったり負けたりという経験を重ねていくうちに負けてしまったことも自分の中で消化できるようになったと思います。

Q.中学2年生でプロになったそうですが、いまの中学生みたいにもっと遊びたいなと思ったことはないのですか。
A.将棋が仕事ではある一方で、自分自身の好きなことを楽しんでやっていたので、あまりほかのことをやりたいという気持ちはなかったです。でも将棋以外全く何もしていなかったわけではなくて、気になったこと、興味を持ったことは自分で調べるということはいまでもよくしていて、それはこれからも大事にしていきたいと思っています。

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(腕章をはめ、メモを取る)

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(永瀬拓矢九段も取材に応じた)

永瀬拓矢九段コメント抜粋「藤井さんは本当に安定されています。私自身は最高峰の舞台で指させていただいて、課題が見つかるなど収穫が多い時間が続いています。一番返せばもう1局指せるので、一局一局集中しないといけないと思っています。(暑さ対策を聞かれ)今年から日傘を導入しましたが、私は物理的な重さに弱くて、300グラムある日傘を重く感じてしまうので、今日のような移動のときは置いてくることが多いです。今日の記念撮影のときは日傘を差していただき、炎天下は免れました。家ではパソコンがダメになってもいけないので、冷房を切る時間を短くするようにしています」

◆こども記者から永瀬九段への取材
Q.私は将棋が大好きですが、初心者だからたくさん負けます。劣勢になると頭が真っ白になり、悪手を連発してしまいますが、どうしたら冷静に指せますか。
A.劣勢でも冷静に指せたほうがいいですね。外からの影響で改善するとすれば、水をひと口飲む、手を止めて無の時間を作るという方法があります。昔から「『人』という字を手に書きなさい」というのもありますが、頭の中で「人」という字を2回書く、というイメージを持つなどでしょうか。

Q.将棋はすごく長い時間指す手を考えると聞いたのですが、相手が考えているときに「早くして」と思うことはないのですか。
A.将棋やスポーツは相手との対話なので、「こちらはこう思っています、あなたはどうしますか」と投げかけたことに対してちゃんと考えて返してもらったほうがうれしいです。こちらが真剣にやるからこそ、相手も真剣に返してくれたらうれしいです。もし「退屈だな」と思うことがあれば、もしかしたら自分に少し真剣さが足りないのかもしれないですね。