2025年9月10日 (水)

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■藤井聡太王位
――角換わり腰掛け銀から交換した銀を打ち合い、▲2五角(67手目)と打って△2二金(68手目)と壁金にさせた。このあたりどう見ていたか。
藤井 ▲2五角と打ったんですが△2二金を軽視してしまって、そうなると▲2七飛(63手目)が悪い形になってしまって、1日目は形勢としては少し失敗してしまっているのかなと感じました。
――封じ手のあたりは厳しい感覚もあったか。
藤井 どのくらい頑張れるかという形かなと思っていました。
――2日目、攻め合いになったあたりはどう思っていたか。
藤井 どんどん攻めてこられないようにしのげるかどうかという感じかと思っていました。形勢としては大駒の働きがよくならないので苦しい感じかなと思っていました。
――竜に飛車をぶつけて飛車を持ち合ったあたりは。
藤井 ちょっと苦しいかなと思ったんですが、その手前、▲5四歩(99手目)に△5二歩(100手目)と受けたところで▲7五銀(101手目)以外にあまり価値が高い手がないと感じたので、苦しいながら勝負にいってどうかと思っていました。
――▲6七玉(121手目)、▲5七玉(127手目)としのぐ展開になった。
藤井 やはり苦しいとは思ったんですけれど、飛車交換を選んだので受けに回る展開はやむをえないかと思っていました。▲5八桂(129手目)と受けてその局面がどうなっているかかな、と。際どい局面かなと思っていました。
――際どいながら、詰めろをかけながら自玉を安全にした。
藤井 ▲4五銀(143手目)から自玉を安全にすることができて少し抜け出すことができたかなと感じました。
――一局を振り返って。
藤井 早い段階でミスが出てしまって、そのあとは苦しい展開を長い間強いられたかなという感じで、最後の最後に好転したのかなと思います。
――七番勝負を振り返って。
藤井 シリーズ後半に内容も含めてなかなかうまくいかないところが多かったので、本局も含めてしっかりと一局一局を振り返って次に生かしていきたいと思います。
――通算タイトル獲得31期となり、渡辺明九段の記録に並んで歴代4位タイとなった。数字を積み重ねたことについて。
藤井 そのことはまったく意識していなかったんですけれど、一つ数字を積み上げて渡辺九段と並ぶことができたことは光栄に思います。

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■永瀬拓矢九段
――1日目、壁金になったところはどのように見ていたか。
永瀬 形勢はよくわからなかったんですけど、△3二玉(70手目)までは一つの予定でした。
――2日目は△8六歩(84手目)から攻める展開になった。
永瀬 もう少し主張がほしいなという感じもしました。△8八歩(86手目)と打ってしまうと歩切れになるので、攻めが切れないようにしていたつもりだったんですが、△8九歩成(94手目)から△2八馬(96手目)はかなり不本意という感じもしました。組み立てとしては違う手を選びたかったと思いました。
――飛車交換になったあたりは。
永瀬 ▲8七金(117手目)の局面がどうなっているかわからなかった。複雑な局面なのかなと思いました。
――終盤、△4七馬(124手目)と角を取って攻めたあたりは。
永瀬 ▲5七玉(127手目)と寄られて▲5八桂(129手目)は見えたんですけど、局面が負けになってしまっている気がしたので、手前でもう少し曲線的な順を拾っていかないといけなかったかなと思います。ただ、具体的によくわからなかったです。
――一局を振り返って。
永瀬 角換わりの定跡形で全体的に楽しみができればと思ったんですが、2日目に正しい手が指せていたかどうか課題なのかなと思います。
――七番勝負を通して。
永瀬 出だしで3連敗してしまって楽しみが少ないかなと思いました。

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手に汗握る終盤戦になっています。上の図は△5九飛成に▲5八桂と合駒した局面。何気ない手のようですが、▲5八香だと△6九角成▲4八金△6八馬▲4七玉△4六馬▲同玉△4八竜の筋を喫してしまいました。桂合いなら手順中△4六馬に▲同桂が利きます。読みの入った手です。

この寄せができないとなると△8七角成と金を取ることになりそうですが、▲4一角△4二玉▲5四歩(参考図)が厳しい攻めになります。このとき△5一金と受けるのは▲同竜△同玉▲5三歩成と踏み込んで先手の勝ち筋。飛車を渡しても先手玉に迫りにくいことを見越しています。

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参考図で後手の持ち駒が金ではなく香なら、△5一香と打てば▲同竜と切られても渡す駒が安いため、受けが利きました。どうやら藤井王位が抜け出したようです。

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永瀬九段の攻めに藤井王位が反撃して激しくなりました。上の図から△9七香成▲7三歩成△同金▲9七香△8八歩▲7九飛△8七飛成▲5三歩成△同歩▲7七飛と進みます。

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飛車を成り込まれて先手ピンチのようですが、後手玉が飛車に弱いことに目をつけて▲7七飛(113手目)のぶつけが狙いの切り返しです。大決戦になって終盤戦が見えてきました。ここから△7七同竜▲同金△7六歩と進みます。

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八代八段は「飛車交換は先手有利だと思ったのですが、△7六歩が意外に厳しい手で難しいですね」との見解。控室には昨日に引き続き武富女流二段が訪れて熱心に検討しています。

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16時から駒テラス西参道で大盤解説会が始まりました。最寄りの参宮橋までは千駄ヶ谷駅前からバスに乗って10分ほど。一つ前の停留所は明治神宮前の北参道入口で、千駄ヶ谷周辺の観光に便利です。解説会はほぼ満席。解説を担当する飯島八段は「長くなりそう」と話していました。駒テラス西参道には棋士のパネルや資料を展示したギャラリーがあり、解説会がないときでも楽しめます。

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