検分(1)
第4局は8月19日、20日に福岡県宗像市で開催
皆さんこんにちは。藤井聡太王位に永瀬拓矢九段が挑戦する伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦七番勝負は、藤井王位がここまで3連勝で第4局を迎えます。藤井王位はあと1勝すれば防衛(6連覇)となります。
第4局は8月19日(火)・20日(水)に福岡県宗像市「宗像ユリックス」で行われます。先手は藤井王位です。
対局開始は19日9時。持ち時間は2日制の各8時間。昼食休憩は12時30分~13時30分。封じ手時刻は18時。20日9時に封じ手が開封されて指し継がれます。
立会人は中田功八段、副立会人(兼大盤解説)は稲葉陽八段、記録係は齋藤光寿三段(門倉啓太六段門下)、大盤解説会聞き手は藤井奈々女流初段がそれぞれ務めます。観戦記担当は小池大志さんです。
棋譜・コメントは紋蛇、ブログは翔が担当します。本局もよろしくお願いいたします。
【主催:新聞三社連合】
http://live.shogi.or.jp/oui/sansha.html
【主催:日本将棋連盟】
https://www.shogi.or.jp/match/oui/
【第4局主催:西日本新聞社】
https://www.nishinippon.co.jp/
【特別協賛:株式会社伊藤園 お~いお茶】
https://www.itoen.jp/oiocha/
以下は第4局の協賛団体です。
【宗像市】
https://www.city.munakata.lg.jp/
【QTnet】
https://www.qtnet.co.jp/
【nepia】
https://www.nepia.co.jp/
【九州リアルティ・アソシエイツ】
https://kyushura.com/
感想戦
大盤会場へ
藤井王位「本局は序盤から手の組み合わせ方が非常に難しい将棋でした。▲4六銀(41手目)に△6五歩と仕掛けていけるかどうかが一つのポイントではあったのですが、その変化は自信が持てないような気がして、△3四歩と受けることになりました。その後は攻めさせられるような展開になってしまって、中盤戦は自信のない局面が多かったのかなと思います。△3二玉(68手目)のあたりから少しずつ立て直すことができた気がします」
永瀬九段「昨日の段階で△5五歩(52手目)が発見できていなくて長考になりました。その後に▲5五銀(63手目)からの組み立てのつもりだったのですけど、△4五銀(64手目)の局面で具体的に手が発見できなかったので、△4五銀を警戒して組み立てるべきだったのかなと思います」
終局直後
(藤井聡太王位は開幕3連勝。防衛まであと1勝)
――対局1日目の感想。
藤井 似たような形は経験があったんですけど、本譜の展開そのものは経験がなくて。△8六歩と突き捨ててから角を引いて、▲4六銀(41手目)に当初は△6五歩と仕掛けるつもりでしたが、あらためて考えてみると、あまり自信が持てない気がして。本譜△3四歩と受けるようでは8筋の突き捨てをとがめられそうな形で、ちょっと自信のない展開になってしまったかなと思いました。
――△5五歩(52手目)を突いたあたりは。
藤井 ▲6六銀(51手目)には△6四歩とかが自然ですけど、受け止められて歩が足りないかなと思ったので。△5五歩も攻めとしては軽いので、少し苦しめかなと思ったんですけど、勝負手のようなイメージでやっていました。
――▲5五銀△4五銀(63-64手目)のあたりの駆け引きについて。
藤井 ▲5五銀に第一感は△同銀▲同角でしたが、陣形をまとめるのが難しい気もしたので。△4五銀も働きがあまりよくないですけど、△3二玉と整えて、どこかで反撃のタイミングをうかがえればと思っていました。
――△5七歩成(76手目)のあたりは。
藤井 こちらの3二玉の形は2三からの逃げ道があって、攻め合いのときに生かせそうな展開になったので、そのあたりは楽しみが出てきているのかなと思いました。△2七銀打(82手目)で攻め合いになって、少しいけていそうな感じはしました。
――本局全体について。
藤井 序中盤の手の組み合わせが非常に難しくて、考えていても分からないことが多かったので、これからしっかりと振り返りたいと思います。
――次局に向けて。
藤井 第4局は少しだけ間が空くので、しっかりとよい状態で迎えられるように取り組みたいと思います。
(挑戦者の永瀬拓矢九段は追い込まれた)
――対局1日目の感想。
永瀬 互いに構想力が問われる将棋なのかなと思いました。
――2日目午前の攻防について。
永瀬 ▲5五銀(63手目)の組み立てではあったので、昼休前に指してしまいましたけど、△4五銀と出られてみると読みが前に進まなかったので、局面としておかしかったのかもしれないなと思います。
――▲5三歩(71手目)のあたりの手ごたえは。
永瀬 どうやれば難しいのか発見できなかったので。8八銀の壁銀が残っていて、だいぶ厳しいのかなと思いました。
――△5七歩成(76手目)のあたりは。
永瀬 全然ダメなのかと思ったんですけど。楽しみがない展開になってしまったのかなと思います。
――本局全体について。
永瀬 矢倉対雁木で、先手が主張できるか難しいかなと思ったんですけど、中盤の組み立てがよくなかった気がするので、そこらへんは改善点が多いのかなと思います。
――次局に向けて。
永瀬 しっかり準備をしたいと思います。