2025年7月
1日目正午の控室
記念撮影とインタビュー
昨日の検分終了後、両対局者は記念撮影と個別にインタビューに応じました。
(藤井王位)
「中の坊瑞苑では6回目の対局で、馴染み深い対局場。食事も有馬のお湯も素晴らしく、本当にいつもいい状態で対局に臨めている。永瀬九段とは今年に入って王将戦、名人戦、そしてこの王位戦と二日制のタイトル戦で続けて対戦する。二日制だと互いの読みであったり、将棋観というものが直接的にぶつかり合ったりするところがあり、非常に勉強になるいい経験ができており、永瀬九段の強さというものをより一層感じる」
(永瀬九段)
「有馬温泉は日本でも有数の温泉地で、今回、対局で伺えるのをとても楽しみにしていた。藤井王位とは研究会でもかなり多く教わっているが、だからといって手の内が分かるわけではなく、そんな浅い相手ではない。名古屋まで行って教わるより、タイトル戦のほうが長い時間教われ、今回は二日制の8時間という持ち時間はわたしとしては望ましい。1局目で敗れてしまったのはかなり痛く、藤井王位に勝つのは大変と痛感した。明日も引き続きベストを尽くして、皆様にも見ていただくにふさわしい将棋を指したい」
戦型は角換わり
戦型は第1局の千日手局、指し直し局に続いて、本局も角換わりとなりました。
しばらく進んで、下図は10時頃の局面。▲4五歩で藤井王位が仕掛けます。前例は昨年11月に指された、ALSOK杯第74期王将戦挑戦者決定リーグ戦▲永瀬-△近藤誠也七段(現八段)の1局のみ。▲4五歩以下、△4二飛▲4四歩△同銀▲7九玉△7五歩▲8三角と進みました。△7五歩の反発に対して馬を作る角打ちを放ち、流れは激しくなっています。船江七段は前例の進行を確認すると「▲4四歩△同銀▲7九玉の進行は、いつでも△5五銀左があるので、先手を持ってとても怖い気がします」と局面の印象を話しました。本局はこれまでの千日手模様から打って変わって、1日目から本格的な戦いに入るのでしょうか。