2024年7月
2024年7月17日 (水)
五稜郭跡
湯元 啄木亭
第1局のリベンジ
戦型は相掛かりになりました。第1局の千日手指し直し局と同じ戦型であるだけでなく、局面も7七桂(23手目)まで同一なので驚かされます。森内九段によると、▲7七桂はAIの評価が下がる手とのこと。「渡辺九段は先手がやや損しているのを承知で持ち時間が少ないならとぶつけたのかなと思っていましたが、どうやら一時的に評価値が下がっても先の先でやりたい手があるという深い構想のようですね」と話します。
第1局の千日手指し直し局は△3四歩▲2二角成△同銀▲8二角△9三香▲2六飛と進み、後に▲7五歩~▲8六飛を実現させて渡辺九段がペースを握りました。森内九段は△7六飛が自然だと予想しています。「おそらく第1局は藤井王位の持ち時間が少なく、△7六飛は相手の術中にハマってしまうと判断して△3四歩としたと思うのですが、渡辺九段がうまく立ち回って優位を築きました。本局は第1局と違って時間もありますし、藤井王位も研究しているはずなので△7六飛なのかなと思います」。藤井王位の指し手は△7六飛でした。渡辺九段は第1局のリベンジなるでしょうか。
1日目午前のおやつ
永世王位
今期七番勝負で藤井王位は5連覇と永世王位の資格を、渡辺九段は王位初戴冠を目指します。永世王位は連続5期または通算10期で有資格者となり、これまでに大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生善治九段がいずれも連続5期で達成しています。大山十五世名人は第1期から第12期まで12連覇を成し遂げ、通算12期。中原十六世名人は第14期から第19期まで6連覇、通算8期。羽生九段は第34期から第42期まで9連覇、通算18期の記録を持っています。