2024年7月

2024年7月17日 (水)

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12時30分、渡辺九段が44分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲渡辺九段1時間43分、△藤井王位1時間19分。昼食は藤井王位が「道南大地の恵み2段重箱」とアイスティー、渡辺九段が「寿司極御膳(サビ抜き)」とアップルジュースを注文しました。重箱は津軽海峡産のマイカと北海道産米を使ったいかめし、サクラマスの西京漬け、ひこま豚のしょうが焼きなど盛りだくさん。デザートにフルーツタルトがついています。寿司のネタはマスノスケ、マイカ、芽ネギ、キンキ、ムラサキウニ、マゾイ、ゴジラエビ、トロ、イクラ、ニシン、エゾアワビです。対局は13時30分に再開されます。

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五稜郭は1855年(安政2年)の函館開港に伴い、北方警備の目的で建造されました。防衛に際して死角をなくすため、名前の由来にもなった五角星形の稜堡を有しています。明治時代には戊辰戦争における最後の戦闘、箱館戦争の舞台になりました。現在は国の特別史跡に指定され、五稜郭公園として一般開放されています。函館市出身の二上達也九段は、父に連れられてよく五稜郭跡まで散歩に出かけたと自著で回顧し、「故郷を思うとき、真先に心に浮かぶのは五稜郭である」と記しています。

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対局場の「湯元 啄木亭」は北海道の三大温泉郷に数えられる湯の川温泉にあるホテルです。最上階の露天風呂からは函館の景色が楽しめます。函館空港から車で約10分の距離にあり、近くには日本で最も長い歴史を持つ競馬場の函館競馬場があります。ホテルに入って正面に見える庭園は1924年(大正13年)に実業家の松岡陸三が築いたもので、今年は100周年の節目になります。

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戦型は相掛かりになりました。第1局の千日手指し直し局と同じ戦型であるだけでなく、局面も7七桂(23手目)まで同一なので驚かされます。森内九段によると、▲7七桂はAIの評価が下がる手とのこと。「渡辺九段は先手がやや損しているのを承知で持ち時間が少ないならとぶつけたのかなと思っていましたが、どうやら一時的に評価値が下がっても先の先でやりたい手があるという深い構想のようですね」と話します。

2024071723 第1局の千日手指し直し局は△3四歩▲2二角成△同銀▲8二角△9三香▲2六飛と進み、後に▲7五歩~▲8六飛を実現させて渡辺九段がペースを握りました。森内九段は△7六飛が自然だと予想しています。「おそらく第1局は藤井王位の持ち時間が少なく、△7六飛は相手の術中にハマってしまうと判断して△3四歩としたと思うのですが、渡辺九段がうまく立ち回って優位を築きました。本局は第1局と違って時間もありますし、藤井王位も研究しているはずなので△7六飛なのかなと思います」。藤井王位の指し手は△7六飛でした。渡辺九段は第1局のリベンジなるでしょうか。

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今期七番勝負で藤井王位は5連覇と永世王位の資格を、渡辺九段は王位初戴冠を目指します。永世王位は連続5期または通算10期で有資格者となり、これまでに大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生善治九段がいずれも連続5期で達成しています。大山十五世名人は第1期から第12期まで12連覇を成し遂げ、通算12期。中原十六世名人は第14期から第19期まで6連覇、通算8期。羽生九段は第34期から第42期まで9連覇、通算18期の記録を持っています。