2021年7月
2日目昼食休憩
高見七段に聞く
副立会人の高見七段に、ここまでの展開について聞きました。
「相早繰り銀はお互い桂が使いづらく、桂より銀が活躍する将棋です。1手先に指せるので先手がやれると思いがちですが、すぐ▲3五歩△同歩▲同銀と動いていくと△8六歩▲同歩△8五歩の継ぎ歩があるので、同じような形だからこそ、間合いをはからないといけません。本譜の▲6六歩(27手目)は△8六歩に▲同銀と取ったときに△5五角を緩和する意味で、▲3五歩といけるようにした手です」
「長考の応酬になった場面です。一度切った歩を合わせる△7五歩(36手目)は手損ですが、▲6八玉(35手目)を見ての動きです。玉が7筋~8筋に近づいてきたので指しました。相手の手を逆用しようとしています」
「藤井王位が△5四角(40手目)と打ちました。先手としては次に△7六歩▲8八銀と引かされるのは避けたいのですが、▲6七金右と受けるのは△7六歩▲同銀△8六歩で反撃する手番が回ってきません。そこで本譜は▲6五歩(41手目)と突いて受けました」
「力ずくではなく柔らかい受けです。△6五同銀なら▲5五角のラインがありますし、△6五同角なら2筋へのラインがそれるので、▲2四歩から銀交換にいけるようになります。本譜もそうなりました」
「手を渡す△3六歩(52手目)は『やってこい』という姿勢ですが、ちょっと苦しいのでは。豊島竜王がよさそうです。藤井王位としては、うまく決め手を与えずについていきたいですね」
旭川市
旭川市博物館
花月会館から昭和通りを旭川駅方面に歩き、クリスタル橋を渡って進むと旭川市大雪クリスタルホールが見えてきます。雪の結晶をイメージしているという特徴的なモニュメントが目印です。ホール内の旭川市博物館では、アイヌの人々や屯田兵といった北海道の各時代の住居を復元しているほか、旭川の歴史を学ぶことができる資料が多数展示されています。
旭川市博物館は1968年から1992年まで「旭川市郷土博物館」として運営されていましたが、1993年に現在の大雪クリスタルホールに移転しました。博物館の入り口では、明治末期の北海道を舞台にした人気漫画『ゴールデンカムイ』のキャラクターパネルが来場者を迎えます。現在は第91回企画展「アイヌ文化の動物たち」が8月29日まで展示中です。