2025年7月16日 (水)

終局直後インタビュー

Img_9883(連勝を決めた藤井聡太王位)

□藤井王位のインタビュー
――1日目を振り返って。
 後手の指し方が有力とイメージを持っていた。手順がしっかりと思い出せないところがあり、▲8三角(39手目)と打つと、角が狭い形でどうなっているかわからない局面が続いた。

――▲5五桂(85手目)と切り返した局面について。
 △5一玉(78手目)のときに▲3六歩と突いて銀を助けるのも考えていたが、キズになる可能性もある。▲5五桂ならこちらの玉がすぐに寄らない形になるが、△4四飛(86手目)を軽視していた。そのあと▲5五銀右(91手目)と出るようでは自信が持てない。3八金・3九飛の壁なので不安の多い局面だった。

――▲5六香(95手目)から攻め合いになった。
 直前の△4六銀では、△5六歩を本線に考えていて、銀打ちは予想していなかった。香を打つと自玉が安全になる代わりに攻めが細くなるので、微妙なところかと思っていた。

――最終盤の攻め合いについて。
 ▲2三歩成(111手目)は、何か後手に手段があれば負けという局面で、下駄を預けるような気持ちで指していた。

――改めて一局を振り返って。
 形勢判断のできない局面が多く、途中は自信がないところもあったが、はっきりと悪いと思った局面はなく、非常に難しい将棋だった。

――次局に向けて。
 後手番で迎えることになる。しっかりと準備をしていきたい。

Img_9885(敗れた永瀬拓矢九段)

■永瀬九段のインタビュー
――封じ手あたりの局面について
 手前まで課題の想定局面だった。▲3八金(75手目)のときに△3三桂は頑張り過ぎかと思い、封じ手の△5四歩を選んだ。

――▲5五桂の切り返しについて。
 手前で40分使って▲5五桂が見えた。難しい局面が続いたが、最終盤はどのように指せば難しかったか、発見できなかったのが課題と思う。

――△7五桂(104手目)と攻めあった形勢判断
▲2四歩(103手目)を突かれると受けがない。打ったときは、少し指せているような気がしていた。しかし、具体手が発見できず、判断が誤っていたかもしれない。

――一局を振り返って。
 後手のほうがまとめにくい形で、判断が難しい。もう少し均衡を保つことができれば、熱戦になったかもしれない。

――次局に向けて。
 先手番と決まっている。精一杯準備をしたい。
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