2020年6月

2020年6月30日 (火)

第61期王位戦七番勝負は前期、初タイトル獲得の最年長記録を更新した木村一基王位が初の防衛戦に臨みます。挑戦者は対照的に、初タイトル獲得最年少を目指す藤井聡太七段に決まりました。第1局(主催:中日新聞社)は7月1日(水)から2日(木)にかけて、愛知県豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」で行われます。第1局につき、先後は振り駒で決定。本局で先手になった棋士は奇数局は先手、偶数局は後手になります。持ち時間は各8時間。1日目の18時を回ると封じ手を行い、2日目に指し継がれます。立会人は谷川浩司九段、副立会人は山崎隆之八段、観戦記担当は鈴木宏彦さん、記録係は中西悠真三段(久保利明九段門下)がそれぞれ務めます。

中継は棋譜・コメントを紋蛇記者、ブログを飛龍が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

Tobira1 (ホテルアークリッシュ豊橋のフロントから外を望む。今日はあいにくの雨)

2020年6月23日 (火)

第1局 7月1・2日(水・木)

 愛知県豊橋市「ホテルアークリッシュ豊橋」

第2局 7月13・14日(月・火)

 北海道札幌市厚別区「ホテルエミシア札幌」

第3局 8月4・5日(火・水)

 兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」

第4局 8月19・20日(水・木)

 福岡県福岡市中央区「大濠公園能楽堂」

第5局 8月31日・9月1日(月・火)

 徳島県徳島市「渭水苑」

第6局 9月14・15日(月・火)

 神奈川県秦野市「元湯 陣屋」

第7局 9月28・29日(月・火)

 東京都渋谷区「将棋会館」

感想戦の後、質問者と会場を分けて記者会見が行われました。

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――第61期王位戦について予選からの参加でした。かなり長い期間王位戦を戦われましたが、振り返っていかがでしょうか。

藤井 過去2回はリーグに入れませんでしたので、今期はまずリーグ入りを目標にしていました。王位リーグでは苦しい将棋も多かったですが、その中で粘って指せたのが結果につながったと思います。

――木村王位の棋風をどのように見ているでしょうか。

藤井 木村王位は力強い受けに特徴があると思っています。

――ステイホーム期間中、普段できない勉強をする機会になったのでしょうか。やったのであれば、どのような内容でしょうか。

藤井 特にやり方を変えたわけではないのですが、時間があった分だけじっくり取り組めたと思っています。

――王位戦は七番勝負、持ち時間8時間の2日制で長い持ち時間の対局です。どのような対局になるか、印象をお聞かせください。

藤井 2日制は初めてで、慣れないこともあると思いますが、持ち時間8時間ということで、じっくり考えて指せることを楽しみにしています。

――棋聖戦と並行してダブルタイトル戦になります。戦ううえでどのような印象をお持ちでしょうか。

藤井 今後も対局が続くことになりますが、どの対局にもいい状態で臨めるようにしたいと思います。

――地方での対局も多いです。楽しみにしていること、気になっていることはありますか。

藤井 そうですね。今回の七番勝負で初めて訪れる場所もあるので、それを楽しみにしています。

――木村王位は今日が誕生日で47歳になって30歳差になります。この年齢差によるタイトル戦についていかがでしょうか。

藤井 年齢に関係なく楽しめることが将棋のいいところと思っています。その年齢は離れていますけど、全力でぶつかっていけたらと思っています。

――木村王位は昨年、史上最年長で初タイトル、藤井さんは最年少のタイトルを目指すということで、ある意味真逆というか象徴的な対決になると思いますが、それについて、どのように思いますか。

藤井 木村王位は昨年の王位戦は素晴らしい戦いでしたし、自分としては思い切りぶつかっていくだけだと思います。

――6月に入って過密日程で大勝負が続いていますが、気をつけていること、されていることはありますか。

藤井 対局が続くので睡眠をしっかり取るようにと思っています。

――第1局は地元愛知県の豊橋市での対局となります。地元で対局できる喜びはいかがでしょうか。

藤井 王位戦は毎年第1局が東海地区での対戦で、地元で指せることは格別の喜びがあります。

――王位戦は全国で転戦します。愛知県の方や全国の方に一言お願いします。

藤井 ご観戦いただきありがとうございます。王位戦第1局が地元愛知県の対局ということで、精いっぱい指していい将棋をお見せできればと思います。

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(書き起こし=銀杏、写真=文)

終局後、感想戦の前に両対局者にインタビューが行われました。

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■藤井聡太七段

――一局を振り返って角換わりから想定していた戦型でしょうか。

藤井 角換わり早繰り銀はやってみたい形でした。

―――永瀬二冠とは公式戦2局目ですが、よく戦っている相手との対戦。大きな舞台での対戦はどういうお気持ちでしょうか。

藤井 普段から教えていただいていますが、公式戦では今月まで対局がなかったので、こうして大きな舞台で対戦できることはうれしく思っていました。

――棋聖戦に続いて挑戦権獲得です。

藤井 七番勝負は7月からありますので、コンディションを整えていい将棋を指せるようにと思います。

――王位戦は2日制。どのような印象がありますか。

藤井 持ち時間が8時間の将棋は指したことはないので、じっくり考えられるのは楽しみです。

――去年、最年長の初タイトル獲得となった木村王位への印象はいかがでしょうか。

藤井 木村王位は力強い受けに特徴がある印象です。

――過密な日程ですが、変わらず対局できているでしょうか。

藤井 対局は多いですけど、普段通りに臨めているかなと思います。

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■永瀬拓矢二冠

――角換わり早繰り銀になりました。想定していましたか。

永瀬 想定はしていませんでしたが、なったら仕方ないと思いました。

――本局を振り返ってどのような印象でしょうか。

永瀬 一局を通して力負けの印象がありましたので、追いつけるように頑張りたいと思います。

――研究会をしているとうかがっています。大きな舞台で2回戦われることについていかがでしょうか。

永瀬 普段から指していて、実力は知っているわけなので、まさか自分がという思いはありましたけど、指してみて、こちらが力負けしてしまったような気がします。

(書き起こし=銀杏、写真=文)

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木村一基王位への挑戦を目指す第61期王位戦挑戦者決定戦の▲藤井聡太七段-△永瀬拓矢二冠戦は、終局時刻は19時52分に藤井聡七段の勝ちとなりました。消費時間は▲藤井聡3時間57分、△永瀬3時間59分。
藤井聡七段は王位戦初挑戦。棋聖戦に続いて2棋戦連続でタイトル挑戦となります。
七番勝負第1局は、7月1・2日に愛知県豊橋市「ホテルアークリッシュ豊橋」で指されます。