2013年7月

2013年7月28日 (日)

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■田丸九段
「暑い東京から来たもので、涼しいすごしやすい環境をうれしく思います。いい環境ですので、いい将棋が期待されると思います。羽生さんは1年中タイトル戦で転戦して忙しいですが、対局日程が密です。体力というか日ごろから健康に留意されているのかなと思います。行方さんは公私とも充実されています。実力はありますので一つ勝てば、勝負の流れが変わるのではないかと思います。個人的に若いころに北海道をよく旅行していまして、層雲峡も43年前の8月に観光しました」

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■羽生王位
「盛大に開催してくださりありがとうございます。田丸先生は43年前に来られたとのことですが、私も24年前の対局(1989年第2期竜王戦七番勝負第4局)で来たことがありまして、それ以来2度目になります。当時は何も見られなかったのですが、今回は立派な滝も見られて自然豊かなところだなと実感しました。いま北海道は行楽シーズンでたくさんの人が訪れていると思います。私は明日から対局という真剣勝負ではありますが、温泉でくつろいで明日から皆さんに喜んでもらえるような面白い将棋を指せるように全力を尽くしたいと思います」

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■行方八段
「私は青森県弘前市出身で子供のころから家族旅行や修学旅行で北海道は訪れています。層雲峡は初めてで、行ってみたいと思っていたので対局で来られてうれしく思います。北海道は来ていますが、一度王位戦を観戦したことがあります。10年ほど前の羽生さんと佐藤さんの対局で稚内の対局でした。稚内といえば、中座さんの地元で、私も中座さんのご実家にお世話になりました。とても楽しかった時間でした。対局後の打ち上げが豪快で、野外でのバーベキューでした。タイトル戦ではあまりない席で、お酒飲みながらカニや羊などをいただき、いい思い出です。棋士になって20年目ですが、初めてのタイトル戦です。新鮮なことばかりで、充実させていただいていますが結果がともなっていないので、明日からの将棋は第1局と第2局の経験を踏まえた上で新しい気持ちでぶつかっていきたいと思います」

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■中座七段
「私は稚内出身でして、毎年夏に王位戦が行われることがうれしいですし、今回自分がかかわれることをうれしく思っています。羽生王位が2連勝で迎えた第3局は行方さんにとっては正念場の一局だと思います。今回は羽生王位が先手番。それに対して、行方さんが堂々と受けて立つのか、積極的に自分から出ていくのかが最初の見どころでしょう。一番の見どころは終盤戦です。お二人の終盤力はプロの間でも図抜けていて素晴らしいものがあります。難解で面白い終盤戦が繰り広げられるのではないかと思います。30日に私と北海道出身の久津知子女流初段とで大盤解説会を行います。足を運んでくださればと思います」

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(棋士が挨拶をしていくなか、最後に記録係の鈴木三段にもマイクが渡る。予想外のできごとに顔がひきつる鈴木三段。これには壇上の棋士から笑いがこぼれた)
■鈴木三段
「王位戦の記録係を務めます。羽生先生と行方先生の対局を見たくて北海道まで来たので良い将棋を見たい。一生懸命務めますのでよろしくお願いします」

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■中締め
北海道将棋連盟旭川支部長 上窪靖武様

(書き起こし=銀杏、写真=文)

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■主催者挨拶 高田正基 北海道新聞旭川支社長
「北海道新聞は王位戦を主催しており、道内では1局開催しています。2002年には旭川で対局が行われました。王位戦で層雲峡は初めての開催です。各地を転戦するハードな棋戦です。本州の猛暑を忘れるような涼しい層雲峡の地で熱戦を展開され、ファンが期待するような棋譜を残してほしい」

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■来賓祝辞 上川町副町長 岩崎幸一様
「大雪山のふもと上川町の層雲峡温泉で開催されることを心から歓迎いたします。羽生王位が2連勝しており、第3局が今期王位戦の重要な一局になると思われます。白熱した対局を期待しています。大勢のファンに面白さを堪能してほしい。多くの方々に将棋に対する関心を深め、文化振興にも寄与されることを期待しています」

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■来賓祝辞・祝杯 野口観光 代表取締役社長 野口秀夫様

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(書き起こし=銀杏、写真=文)

検分を行うなかで、行方八段は盤についていた小さなシミを気にしていた。中座七段が調べたところ、どうやら木の模様とのこと。
なお、羽生王位が選んだ駒は木村名人書、木村文俊師作の盛上駒。木村文俊(本名・正利)師は木村義雄十四世名人の実弟で、駒師だった。駒は双玉で、玉将の「玉」と「将」の間が離れている点に特徴がある。

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(文)

16時30分ごろに検分が始まった。立会人の田丸九段が、用意された2組の駒を両対局者に差し出す。羽生王位が駒を並べ、使う駒を決める。その後に調光の具合が確認され、少し暗いと両対局者から意見が出て、天井の照明をつける。最後に封じ手をするスペースを確認し、検分は終了した。

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(文)