
対局の見どころ
(左から)村田智穂女流二段、谷川治惠女流四段、福崎文吾九段
福崎「谷川さんも女流では立会の仕事が多いんじゃないでしょうか。プレッシャーがかかりませんか。心中はどうです?」
谷川「まずは今日の朝5時に起きられるかどうかが、一番大きなプレッシャーでした」
福崎「私は目覚ましをかけなくてもなぜか目が覚めますけどね。さて、女流棋界第一人者の清水さんと、急に出てきた里見さん。このナマイキな里見さん、どう思います?」
谷川「私は引退したので幸か不幸か痛い目には遭ってないんですけれど」
福崎「では同世代からみてどうでしょう。ユキちゃん? サキちゃん。……ヤマモトさん?」
会場(チホ!)
村田「実は同世代じゃないんですよね。香奈ちゃんのほうが下です(笑)」
福崎「清水さん、時代劇の女剣士のような凛々しいいっちゃん、サインちょーだいって言って断られたこともある凛々しいいっちゃんが相手なんですが、戦型予想はどうでしょう」
谷川「三間飛車ではないでしょうか。▲7六歩△3四歩▲7五歩と見ます」
村田「清水さんは三間飛車をきらって、▲7六歩に△8四歩と突くんじゃないでしょうか。というのも、私が▲7五歩突かれるの苦手なので、△8四歩って突くんです」
福崎「私は女性の心理がわからない。女流棋士というのは谷川さんの頃から注目されてきたんですが、最近は強い子も増えてきてまたかわいい子も増えてきましたね。どうですか、アイドルと呼ばれていた谷川さん。と、遅れてきたシンデレラの智穂ちゃん」
谷川「最近の子は見た目も性格もかわいいですね」
福崎「それ知らないだけじゃない?」
谷川「村田さんはすごくいいですよね」
村田「そんなことないです」
谷川「いやいや……」
福崎「ハイ、アリガトウゴザイマス」
福崎「お二人からはエネルギーを感じますよね。さてどっちが勝つと予想しますか」
村田「清水さんは『里見さんの将棋を一局でも多く見せる』と遠まわしに勝利宣言をされてましたよね。それをどう里見さんが阻止するか」
谷川「清水さんは『若手の壁でありたい』、そうおっしゃってました。自分が強ければ後輩も強くなる。後輩のためにももっと強くなりたい、教えることがたくさんある、と」
福崎「清水さんは背筋がいいですよね。ボクらはピサの斜塔って呼ばれてますから。はい、では明日が楽しみですね」
谷川「先生の大盤解説も楽しみです」

(サプライズで、10日に昇段したばかりの村田智穂女流二段に、花束と記念品の贈呈。和服姿の田端壽修・西日本将棋道場連合会会長は、明日の対局で使われる駒箱と駒袋を制作。趣味だというが何十組も制作経験がある)

中締め
社団法人 湯原観光協会 湯原町旅館協同組合 代表理事 小河原靖弘
「真庭の湯原温泉にお集まりいただき、えー、バレンタインに縁のない方ばかりが集まっていらっしゃいますが、ここから250メートル上流では、『バレンタインファンタジー』と題しまして626本のロウソクが灯されています。雪の中での露天風呂に幻想的な演出をしています。この会が終了したらそちらにぜひおでかけください。皆さまは明日将棋を指すわけでもないのでゆっくり飲んで、雪の中まち歩きをしていただければと思います。それでは、世紀の熱戦になることを祈念して、一本締めで締めたいと思います」
(翔)
(地元の「湯原子供将棋教室」(湯原温丸=あったまる=くん支部)の池田雅子さん、西村優花さんからの花束贈呈)
(続いて湯原対局実行委員で真庭支部の山崎耕造さんから記念品贈呈)

里見香奈女流名人
「湯原温泉は、幼稚園の頃に来たことがあると両親に聞きました。でもそのときは高熱を出してお風呂に入れなかったそうです。今日はお風呂に入って万全の体調で臨みたいと思います。清水先生の上座に座って対局するのはとても緊張する。憧れの清水さんと指せるのは楽しみ。全力でぶつかっていきたい。よろしくお願いします」

清水市代女流六段
「真庭市に来るのは生まれて初めてで、楽しみにしていました。そしたら美しい雪景色で感激しました。東京生まれ東京育ちの私には、雪自体がすごく珍しいんですね。見事な雪景色を見せていただいて、これで真っ白な気持ちで対局に臨めると思います。先ほど『報知新聞買って!』とおっしゃってましたが、みなさんもうとってらっしゃいますよね?(会場拍手) 今日も雪の中、里見さんは寒くて震えていました。外で撮影をしたんです。明日の対局の様子も載る。載りますよね? というわけで、報知新聞をよろしくお願いします。
全国の里見ファンは、里見さんの将棋を一局でも多く見たいはず。ということは、私ががんばらないといけません。明日は自分らしい将棋を指したいと思います」
(翔)
主催者挨拶
社団法人 日本将棋連盟 理事 西川慶二七段
「ようこそお集まりいただきましてありがとうございます。女流名人位戦は、もっとも歴史のある女流棋界を代表するタイトルです。レベルが格段に上がっていて、全国の将棋ファンが注目する、というか、男性棋士も注目するシリーズになっています。里見女流名人、清水女流六段が男性棋士に勝っても誰も驚きません。私にも息子がいるのですが、対女流棋士の勝率は……。
本当に、熱い思いが伝わって今回の対局が実現しました。支えていただいている報知新聞社さま、特別協賛いただいているユニバーサルエンターテインメントさまに改めてお礼申し上げます」
(棋士紹介。里見香奈女流名人、清水市代女流六段、立会の谷川治恵女流四段、大盤解説の福崎文吾九段、聞き手の村田智穂女流二段、記録係の野崎雅敬初段)
来賓代表挨拶
真庭市長 井手紘一郎
「今宵は雪化粧で皆さまをお迎えしました。片田舎の真庭市で女流名人位戦の対局が行われるということは、考えたこともなかったのですが、実現しました。ありがたいことで、私自身喜んでいます。今日、里見・清水両人に初めて接して、若く・美しいと感じました。しかし対局となると闘志を燃やすだろう、と存在感は抜群であります。私も将棋大好き人間で、むかし家では将棋くらいしか遊ぶものがありませんでした。明日は対局を実際に見ることができます。また大盤解説もある。すばらしいことです。外は寒いですが、明日は熱い戦いを期待しています。それでは、湯原温泉をよろしく!」
(翔)
女流名人位戦湯原対局実行委員会 委員長 池田博昭
「皆さまに、全国より湯原にお越しいただいたことに感謝申し上げます。なぜ湯原で対局を開催しようと思ったのか。ひとつは活性化。ひとつは文化交流。そしてひとつは里見女流名人・清水女流六段の話を小学生に聞かせたい、ということです。今後も真庭を盛り上げていきたいと思っております。それでは、第37期ユニバーサル杯女流名人位戦第3局前夜祭を開会します」
主催者挨拶
報知新聞社 大阪本社代表 西山忠雄
「こんばんは。それにしてもすごい雪ですね。川端康成の小説で『トンネルを抜けると雪国であった』というのがありますが、まさにその世界。大雪の中参加していただきまして、厚く御礼申し上げます。
さて、両対局者には前夜祭で肩の力ちょっと抜いていただきましょう。今日は何の日ですか? 里見女流名人はどれくらいチョコをばらまかれましたか?」
里見「妹にもらいました。渡してないです(笑)」
「いずれ渡しますよね?」
里見「はい」
「清水さんはどうなんですか?」
清水「渡さないです」
「私は帰ると机の上に義理チョコがたくさんあるんですよ。これが高くつくんです」
*
「さて、第1局、第2局と里見女流名人が逆転勝ちで王手をかけました。もし里見女流名人が勝てば『名人初防衛!』、清水さんが勝てば『本領発揮、逆襲始まる!』と報知新聞の一面に載ることになります。130円です。みなさん買ってください。
里見さんは強い。明日勝てば、当分里見天下が続くのではないでしょうか。いっぽう清水さんはリーグ戦で8戦全勝、最強の挑戦者ということになります。清水さんと初めて話したのは、第30期の中井広恵さんとの対局のときなんですが、とにかく姿勢がいい。6時間姿勢が崩れない。王者の風格ですよね。これを倒す人はおるんかなと思いました。両対局者には、大雪の中、アツイアツイ戦いを繰り広げてほしい。後世に語り継がれる名局を期待したい」
(翔)