(西山朋佳女流名人あいさつ)
「皆様こんばんは。本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。今回は歴史的名所であり、素晴らしい景勝地である宮島で対局させていただくことをうれしく思っています。また厳かな明媚の対局場をご用意くださった大聖院さまに心より感謝申し上げます。番勝負のほうはあとのない状況ではありますが、いまの自分の目一杯がんばっていけたらなと思っています。第1局よりお世話になっております皆様、ご観戦いただく皆様に心より御礼申し上げます。明日も1日よろしくお願いいたします」
(福間香奈女流四冠あいさつ)
「皆様こんばんは。本日はお忙しい中、前夜祭にお越しくださりまして誠にありがとうございます。本日お昼頃に宮島に到着しました。私は小学校の修学旅行でこちらに来ましたので20年ぶりくらいになります。そのときのことはところどころしか覚えていないのですが、大変きれいなところだったという印象がありました。今日は天気がよく、美しい景色を見ながら検分をさせていただきました。素晴らしい対局環境を整えていただきましてありがとうございます。明日は自分の力を精一杯出し切って頑張りたいと思います。お世話になります関係者の皆様、よろしくお願いいたします」
(翔)
(主催者あいさつ 報知新聞社・依田裕彦代表取締役社長)
「50期という大変大きな節目を迎えた今回の五番勝負は、8つある女流タイトルを四冠ずつ分け合う西山朋佳女流名人と福間香奈女流四冠による、まさに頂上対決と呼ぶにふさわしい対局になりました。西山女流名人が星をタイに戻し、勝負の決着を最終局へと持ち込むのか。あるいは福間女流四冠が勝負を決めて、女流名人に返り咲きを果たすのか。明日の対局は、お互いの気持ちがぶつかり合う大熱戦になると、たくさんの将棋ファンの皆さま共々、期待をしています」
(主催者あいさつ 清水市代・公益社団法人日本将棋連盟常務理事)
「第4局開催の立役者の吉田(正裕・大本山大聖院座主)さまとのご縁は6年ほど前、京都の世界遺産・仁和寺になります(注:吉田座主は当時、真言宗御室派の総本山、仁和寺の執行長を務めていた)。そのとき吉田さまはお忙しかったのですが、ちょうど見頃の御室桜をご案内いただき、そのときに即断即決で将棋界のビッグタイトル(竜王戦)をご誘致いただきました。そこからのご縁なのですが『いつか女流棋戦を』という話をさせていただき今回の実現になりました。五番勝負の第4局、本当に大きな一番になります。盤上だけではなく、盤外の心理戦もお楽しみいただければと思います」
(共催者あいさつ 椋田昌夫・宮島弥山空海生誕1250年記念事業実行委員長)
「宮島は一時期コロナ感染症で非常に大きなダメージを受けました。昨年のG7で息を吹き返し、そしてまた、このイベントで花を添えて。実行委員会としても ここ世界遺産の宮島の歴史や大自然を感じながら対局していただければと思います。多くの皆さま方にご協力いただきましたことに感謝し、今後の将棋界のご発展と、宮島、広島の隆盛を祈念しております」
(撮影=翔、書き起こし=夏芽)
西山朋佳女流名人に福間香奈女流四冠が挑戦する岡田美術館杯第50期女流名人戦五番勝負、第4局は2024年2月25日(日)、広島県廿日市市「宮島弥山大本山 大聖院」で指されます。
対局開始は9時30分。持ち時間は各3時間。昼食休憩は12時から13時。福間女流四冠の先手です。立会人は糸谷哲郎八段(広島県出身)、記録係は山口稀良莉女流1級が務めます。また現地大盤解説会(受付終了)は黒田尭之五段が解説、石本さくら女流二段が聞き手で出演します。
本局の中継は棋譜・コメント入力を夏芽、ブログを翔が担当します。よろしくお願いいたします。
【主催:報知新聞社】
https://hochi.news/shogi-igo/
【特別協賛:株式会社ユニバーサルエンターテインメント】
https://www.universal-777.com/corporate/culture/shogi/
【第4局棋譜再生ページ】 http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/50/joryumeijin202402040101.html
(広島駅からバスでの移動中に見えたサッカースタジアム「エディオンピースウイング広島」。今月1日に開業し、昨日初めての公式戦が行われた)
(翔)
(西山女流名人がシリーズ1勝目を挙げた)
――▲4五歩(29手目)から▲3七桂の構想について。
西山 あまりない形ですが、▲4五歩に△3三銀の形になると思っていたので、それでつり合いが取れていると思いました。
――8筋から反撃されたあたりの対処はいかがでしたか。
西山 もう少し(ほかの)対処があったかと思ったのですが……。先手が苦しい可能性もあるのかなと思いながら指していました。
――▲6三と(73手目)のあたりはどうでしたか。
西山 感覚で指してしまった部分があって、形勢が思わしくないのかなとは思っていました。
――△7三飛(76手目)について。
西山 ▲2五桂(75手目)までは進むと思っていました。そこでもう少し寄りがあるイメージだったので、そのあたりが誤算だったかなと思います。
――どのあたりでよくなったと感じましたか。
西山 ▲7四歩(103手目)のあたりで攻めが続いてきていると思っていました。
――対局を振り返って。
西山 互いの飛車先で戦いになって形勢判断が難しかったんですけど、▲5三銀(61手目)あたりから勝負になっているかなと思いました。
――これで1勝を返しました。
西山 また1局指せるということで、しっかり準備して挑みたいと思います。
福間 考えながら指してました。
――8筋から攻めていったあたりは。
福間 よくできそうかなと思って踏み込んだのですが、本譜はあまりよくなかったかもしれません。
――△7三飛(76手目)あたりの感覚はどうでしたか。
福間 何かあるのかなと思って指してました。
――どのあたりで厳しいと感じましたか。
福間 2五の桂を取られる形になったので、もうちょっと何かなかったかなと思うのですが。いや、ちょっと苦しいのかもしれないです。
――本局を振り返って。
福間 難しい将棋だったと思います。途中から指し手の一貫性がなかった気がします。そのあたりがどうだったかと思います。
―― 一貫性がなかったとは。
福間 具体的にわからないまま指していたので。
――第4局に向けて。
福間 変わらず頑張っていきたいと思います。
(牛蒡)