▲３二角（図）に永瀬王座が手を止めています。２一桂には飛車のヒモが付いていますが、かまわず桂を取るのではないかと検討陣は推測しています。たとえば△２三銀上には（▲８四香△３一飛）▲２一角成△同飛▲１三香成とし、▲６七桂を狙いにします。かつては将棋ソフトの進化した影響で角の価値が下がったといわれましたが、角より桂が高いと判断される局面はそうありません。本局の命運をかけた一手といえそうです。

（陣屋のかがり火）

（牛蒡）

17時30分、図の局面で永瀬王座が７分使って夕食休憩に入りました。消費時間は☗豊島３時間38分、☖永瀬４時間０分。夕食の注文は、豊島九段が「冷やし天婦羅そばの天麩羅抜き」、「陣屋特製豚漬け重」、「アップルジュース」。永瀬王座が「陣屋カレー（ビーフ）」、「抹茶」、「アイスコーヒー」、「グレープフルーツジュース」。対局は18時に再開します。

※訂正　当初記載していた豊島九段の「冷やし天婦羅そば」は「冷やし天婦羅そばの天麩羅抜き」が正しい内容でした。

（牛蒡）

手数はすでに110手。豊島九段は図の局面で30分超えの長考に入っています。駒割りは後手の桂得で、馬もできています。先手は飛車がさばけていません。「形勢は後手が少しいい」という声がある一方で、「実戦的に勝ちやすいのは先手」との意見もあります。先手の長考は苦しさの表れかもしれませんが、後手も薄い玉形で１手のミスが致命傷になる可能性があり、神経を使いながらの戦いになります。

（陣屋の展示物。升田幸三・実力制第四代名人。王座戦では第２期決勝を戦った）

（牛蒡）

17時からParaviの放送が始まります。
現地から写真と中村太地七段のコメントが届きましたので紹介します。

－105手目▲４四歩の局面について－
「複雑な局面に進み、混戦になってきています。この後は、力のこもった熱戦に進みそうで、永瀬王座の受け、豊島九段の攻めという両者の持ち味が出る将棋になりそうです」

【第70期王座戦五番勝負第４局｜Paravi】
https://www.paravi.jp/title/99183

（牛蒡）

瀬川六段に話を聞きました。

「どうやら第２ラウンドに入りました。第１ラウンドは、先手が少し無理をして攻めていたと思います。しかし、ここまで進むとバランスが取れています。私としては堅陣の先手を持ってみたいですが、永瀬王座は受ける展開を苦にしない棋風です。現状は激戦、いい勝負で間違いありません。図では（１）▲７五歩△同歩▲７四歩△同玉▲７六歩△６三玉▲７五歩（変化図）が見えます。７筋攻めは６三玉型右玉の急所です。（２）▲２二歩△同銀もあります。そこからどう攻めるか」

（陣屋の展示写真。第１期王座戦決勝の大山丸田戦は陣屋で指された）

（牛蒡）

15時になりました。対局者のおやつは以下のとおりです。

豊島九段　フルーツ盛り合わせ 、グレープフルーツジュース（氷なし）
永瀬王座　抹茶、アイスコーヒー、グレープフルーツジュース
撮影用に別途注文したものです。

（牛蒡）

先手の攻めが一段落し、△４八角と打って図の局面。控室では▲２八飛が有力とみられています。一例は▲２八飛△３六角成（△３七角成もある）▲４八飛△３七馬▲４九飛。この変化自体は２枚換え（▲角△銀桂）ですが、先手は負担になりそうだった２六飛、３六銀、３七桂の形がさばけます。▲４九飛以下は△３八馬▲５九飛△３七馬▲３九飛△４八馬の千日手模様も考えられます。控室では先手の攻めが少し無理気味だったとみる向きもあり、今度は先手も千日手を避けないかもしれません。

（控室で検討する藤井猛九段）

（牛蒡）

（藤井九段と佐々木七段が陣屋のテラスからABEMA中継に出演）

（牛蒡）

14時から現地の解説会が始まりました。瀬川六段と中村真女流三段を中心に、藤井猛九段や佐々木勇七段もゲストで出演する予定です。永瀬王座は休憩明けからジャケットを脱いで対局しています。

（現地の解説会）

（日本将棋連盟の常務理事として森下九段のあいさつがあった）

（解説者は瀬川晶司六段）

（聞き手は中村真梨花女流三段）

（牛蒡）

（先に戻ってきたのは永瀬王座）

（豊島九段が入室） 

（対局再開、△３五同歩）

（すぐに▲３五同角とした）

（戦いは激化しそうだ）

（牛蒡）