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第61期王座戦五番勝負第5局

2013年10月21日 (月)

夕食休憩

64図の局面で夕食休憩に入った。消費時間は▲羽生3時間30分、△中村3時間56分(持ち時間、各5時間)。対局は19時に再開する。

K002

(夕食休憩中の対局室)

K011 

(先手の攻め、後手の受け)

(牛蒡)

強気

60ここに来て中村六段は強気な指し手が目立つようになった。図で先手は5五銀の行き場がないため、猛攻を仕掛けるしかない。ここからは激しい戦いになりそうだ。
事実、羽生王座は図から▲7三桂成△同金▲9五角と攻めかかった。厳しそうな角だ。
 

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(牛蒡)

羽生流の攻め

56中村六段は4筋の駒を伸ばして▲5五銀に備えた。堂々とした駒組みだ。対して羽生王座は▲6六飛と戦力を6筋に集めた。開戦は近い。
ちなみに控室では(1)▲2八角や(2)▲7五歩といった変化を検討していた。参考までに以下に紹介する。


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S56_1(1)▲2八角は△5四歩▲6四銀△同銀▲同角△5五銀▲同角△同歩▲6六飛(参考1図)。後手は1歩でもあれば簡単に受かりそうだが、あいにくの歩切れ。


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S56_2(2)▲7五歩は△5四歩▲8六飛△同飛▲同歩△5五歩▲2二飛(参考2図)。以下△4二銀は駒不足になるおそれがある。かといって△4二金ではいかにも薄い。控室では(1)▲2八角も(2)▲7五歩もどちらもありそうという見解だった。


(牛蒡)

検討の合間に

おやつの撮影のために注文したケーキは控室に運ばれた。
「レディーファーストで」と長岡五段がカロリーナさんに勧める。カロリーナさんは少考で「HABU」と回答。先手をもって検討しているので、羽生王座と同じプディングを、ということだ。それを受けて長岡五段は弟弟子と同じチョコレートケーキを取った。

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(対局室の状況を完全再現)

H030

(牛蒡)

山田久美女流三段が来訪

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(山田女流三段からは焼菓子をいただいた)

(牛蒡)

中村六段、長考の理由

51_3図の局面で中村六段が長考している。長岡五段はその理由を次のように推測している。


「先手は▲4六銀から▲5五銀を狙っています。そこまで銀が進めば、△4五銀に▲6六飛で6筋を狙えます。後手は▲4六銀と▲5五銀の2手の余裕がありますが、その間に銀の進出にどう備えるか。簡単ではありません。(1)△5四歩は▲7五歩(△同歩は▲7四歩△同銀▲5四飛)がありますし、(2)△4四歩は▲4六銀でまた難しい。たとえば△4三金はこの辺り(2二周辺)が薄いですよね」(長岡五段)

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(継ぎ盤の前に座り、検討をリードする長岡五段)

(牛蒡)

現地大盤解説会

15時から常磐ホテルで大盤解説会が始まった。入場者数はすでに100人を超えている。

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(解説は木村一基八段)

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(聞き手は井道女流初段)

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木村八段は5六飛を局面のポイントに挙げている。この飛車が自由になるかどうか、先手がもがいている状況だという。飛車が働くようになれば先手よし、つかまるようなら後手よしという明快解説だ。「ポイントはこの一点につきます。現在の形勢は難しいですが、あと数手進めば見えてくると思います」(木村八段)


(牛蒡)

カロリーナさんが来訪

カロリーナ・ステチェンスカさんが控室を訪れた。カロリーナさんはポーランド出身。外国人女性として初めて研修会に入会した。10月13日(日)からC2クラスで対局している。
また、10月から山梨学院大学の聴講生となり、日本語の勉強をしている。来年4月からは同大学現代ビジネス学部3年に入学予定。

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(牛蒡)

山梨の棋士

山内敦貴5級(14歳、長岡五段門下)が控室へ。米長永世棋聖が亡くなって以降、山梨出身の棋士は生まれていない。奨励会員も山内5級だけという。米長永世棋聖と同じく山梨県増穂町出身の山内5級は地元期待の星といえる。

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(勝浦九段と長岡五段の検討をみつめる山内5級)

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(山内5級の差し入れ『桔梗信玄プリン』)

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(きな粉入りのプリンに黒蜜がよくあう)

(牛蒡)

おやつ

対局者のおやつは以下の通り。いずれもホテル自家製。

羽生王座 カスタードプディング、ホットレモンティー
中村六段 チョコレートケーキ、ジンジャーエール

※写真は対局者とは別に注文したものです。

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(牛蒡)

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