第1図で▲2八角が浮かびづらい引き場所でした。2九飛の威力が半減しますが、代えて▲3七角だと△2五歩と桂を外されたあとに△3三桂~△4五桂で角を狙われるデメリットがあります。
実戦は▲2八角以下△2五歩▲5五歩△4五銀▲6三歩成(第2図)と進行しました。控室の検討では「先手よし」と見られていた局面で、伊藤叡王の決断に意外な声が上がっています。というのも、上記の△4五銀では△6五銀や△5七歩といった選択肢があったからです。

(17時30分頃の陣屋の庭園。薄暮になると、かがり火が灯される)
(玉響)