全速力で駆ける中盤戦
対局開始から40分ほどで、伊藤匠叡王は端に角を放ちました。
次に△8六歩と突いて銀を取りにいく狙いですが、部分的には受けづらい形です。一点突破を目指すだけに後には引けない手で、藤井聡太王座も長考するのではないかと思われました。
しかし藤井王座はわずか4分弱で▲4五桂。以下△8六歩▲5三桂不成△3一玉▲6一桂成(下図)とどんどん進みました。
3七にいた桂馬が一気に6一まで動き、金をタダで取れたとなれば先手の調子がよさそうですが、局面のバランスは取れているようです。お互いに研究済みの局面を全速力で駆け抜けていると見られています。
(どんどん手が進む様子をモニター越しに見る谷川浩司十七世名人と村山慈明八段)
(翔)