終局直後
【藤井王座の談話】
――△9五歩(76手目)から前例のない戦いに入りました。その辺りまでは、どのように思われていましたか。
「途中まで自分自身で指したことのある展開で。お互いにキズを抱えた陣形なので、判断の難しい将棋かなと思っていました」
――△8四桂(80手目)に▲6七銀左と逃げずに▲4六香で攻め合いに出ました。その後の展開はどのように思っていましたか。
「▲6七銀左は少し利かされかなと思ってしまって。ただ、やはり▲4六香は、銀を取られてしまうのでやり過ぎだったかなという気はしていました」
――その後、どのあたりで形勢がよくなったと思われましたか。
「△2四香(104手目)に▲4四歩と突き出した辺りは、こちらの玉がまだ耐久力のありそうな形なので、少し指しやすくなったのかなという気がしました」
――勝ちを意識されたのはどの辺りでしたか。
「最後、▲4三金(119手目)から▲2五角打の手順を発見して、勝ちになったかなと思いました」
――これで2連勝で、初防衛に向けて王手をかけました。そのことについてどう思われていますか。
「あまり意識せずに、次の第3局に臨めたらと思っています」
【永瀬九段の談話】
――△8四桂(80手目)に▲4六香と攻め合いに来られた局面はどう思われていましたか」
「▲4六香は常に権利なので。ただ、ちょっと本譜の組み合わせは、あまり認識がなかったので。一つ一つの形が凄い特殊なので、本譜は触り方を間違えてしまった気がするので。△7六桂(82手目)▲7七玉の局面でバランスの取れる手を指したかったのですけど。ちょっとどういう感じかわからなかったです」
――どの辺りで苦しくなったと思われましたか。
「▲7四歩(89手目)とされた局面が――少しやりにくいのかと思ったのですけど、(▲7四歩に対して)△8五桂とか、そういう手が利かないと、何か強く指されてわかりやすくされてしまう可能性もあるかなと思いました」
――これであとがない戦いになりましたけれども、第3局に向けての抱負をお願いします。
「はい。精一杯準備をしたいと思います」
(八雲)