終局直後
【永瀬九段の談話】
―― 一局を振り返っていかがでしたか。
「雁木は近年増えている戦法だと思うのですが。全体として、指してみてもやっぱり難しいところが多くて。判断が難しいと思ったところが多かったかなと思います」
――どのあたりで形勢がよくなったと思われましたか。
「△7六桂(106手目)と打って、速度勝ちが見込めていればとは思ったのですが。ちょっと正確にはわかってはいなかったので。ただ、△8六銀(104手目)から△7六桂は、そうしないと攻めが薄くなってしまうかなと思ったので、仕方がないところもあるかなと思いました」
――勝ちと意識されたのはどのあたりですか。
「最後△5七金(110手目)打って、自玉が詰まなければという局面になったので。詰むか詰まないかになったと思いました」
――王座の挑戦権を獲得ということで。昨年失ったタイトルの復位に向けて藤井聡太王座と戦われます。五番勝負に向けての抱負をお願いします。
「昨年はやはり悔いが残る内容になってしまいましたので、今期はその点を改善してよい将棋を指せればと」
敗れた羽生九段。
【羽生九段の談話】
―― 本局を振り返っていかがでしたか。
「仕掛けていって、あんまり成算がない形になってしまったので。ちょっとずつ苦しいかなと思いながら指していました」
――ファンの方からは、会長として38年振りの挑戦を求める声もありました。
「そうですね。残念でした。また次の機会に頑張りたいと思います」
(八雲)