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2023年10月11日 (水)

最終盤のポイント

Ouza202310110101_122井田四段、宮嶋四段に最終盤のポイントを解説してもらいました。図は藤井竜王・名人が△4六角成▲5八玉(▲4八玉は△4七飛以下)△7八飛▲5九玉△6八飛成までの詰めろをかけた局面です。本譜の▲5三馬は△2二玉▲3一銀△1二玉▲2二金△1三玉(変化1図)で詰みません。

2_128_2▲4二金なら先手が勝ちでした。(1)△4二同金は▲同成銀△同玉に▲5二飛△3三玉▲5五馬△同角成▲2二銀△2四玉▲2五歩△同玉▲2六歩△同玉▲1七銀以下の詰み。(2)△2二玉は▲3二金△1三玉(△同玉は▲4二飛△3三玉▲4三馬△2四玉▲3四馬以下の詰み)▲2二銀△2四玉に(A)▲2七飛(変化2図)で先手が勝ちそうです。(B)▲2五歩△同玉▲2七飛△2六金▲1七桂以下の即詰みもありました。

2_129【後日追記】
藤井新王座はあとの投稿の会見で「局面が苦しいときは、そのまま自然に進めてもさらに苦しくなってしまうので、なるべく相手玉に少しでも迫る形を作って、何とか複雑にできればということを考えて指していました」と述べています。

Ouza202310110101_119本局では119手目▲5二とに△3三金右と逃げるのが「自然に進める」手と考えられるでしょう。△5二同金▲同成銀と駒損を受け入れ、△5五銀と冒頭の図の詰めろをかけて勝負に出たのが本譜でした。まさに「なるべく相手玉に」からの部分に該当し、逆転勝ちの幸運を引き寄せたといっていいのかもしれません。

(飛龍)

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