終局直後
(永瀬王座は4連覇達成。来期は5連覇と名誉王座獲得に挑む)
――本局について。
永瀬「穴熊対右玉という陣形差のある将棋でした。こちらがかなり神経を使う将棋で、自信がないかなと思いながら指していました」
――よくなったと思った局面は。
永瀬「△2一香(180手目)とかで入玉が確定してくれば持ち駒は豊富ですので、後手玉は寄らなくなってきていると思いました」
――シリーズ全体について。
永瀬「全局角換わりというシリーズでした。腰掛け銀から早繰り銀まで、角換わりのなかでもいろいろな形を指せたと思います」
――4連覇について。
永瀬「1局目はかなり準備不足でした。かなり厳しいと思いながら指していました。2局目以降は苦しくなってからも頑張れたので、それで徐々に好転していったと思います」
豊島「仕掛けが無理気味だった気がします。角を取り返したあたりは(96手目△3七馬で)桂損なので少し悪いかもしれないですけど、そのあたりで何か別の手段があったかもしれません。でも基本的には、ちょっと苦しい時間が長い将棋だったのかなと」
――シリーズ全体について。
豊島「だんだん内容が悪くなっていってしまって、もうちょっといい将棋を指したかったんですけど、実力不足だったのかなと思います」
――第2局の千日手局を決めきれなかったのは痛かったでしょうか。
豊島「確かにあとで調べたらいろいろな筋がありました。手を戻したときに自玉がどれくらい安全になっているかわからなかったので……。あの将棋は痛かった気がします」
(本局と五番勝負全体について一言ずつ述べた)
豊島「本局は仕掛けが無理気味で、苦しい時間の長い将棋でした。シリーズも途中からどんどん内容が悪くなってしまい、実力不足だったと思います。実力をつけていきたいと思います」
永瀬「本局は自信がないと思っていました。こちらは網が破れるとすぐにダメになってしまうので、一日を通して厳しい時間が長かったと思います。(勝ちになった局面を問われて)最後の最後で入玉が確定して、こちらは持ち歩が9枚10枚あり、相入玉は難しいと思いましたので、そのあたりでやっと勝ちになったんじゃないかなと思いました。(防衛については)1局目の内容がだいぶ悪かったので、厳しいシリーズになるのは間違いないと思いました。そこから少しずつですが内容をよくして、2局目をしのぐことができたのが大きかったです」
(牛蒡)