勝負手で夕食休憩に
夕食休憩が近づいたところで大きな動きがありました。豊島九段の△6九銀(66手目)がハッとする放り込み。狙いとして▲6九同玉なら△8七歩成が、次に△7八と▲5八玉△5九金▲同玉△7九飛以下の詰めろになってスピードアップの手筋になります。控室ではこの銀は取れないだろうと見られていましたが、永瀬王座は注文に乗る▲6九同玉! 意外な応手に中村太七段が「取れるの!?」と目を丸くしました。以下△8七歩成▲5八玉△7八と▲3六銀(71手目)と進みます。
銀を歩頭に出て4筋の壁を崩し、詰めろを解除しました。中村太七段は「非常手段、勝負手です。△3六同歩で後手がやれると思いますが、先手も上部脱出を狙っています」と解説します。17時30分、豊島九段の手番で夕食休憩に入りました。消費時間は▲永瀬王座3時間33分、△豊島九段4時間5分。対局は18時に再開されます。
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