千日手の筋から強手
最近の角換わりではよくあることですが、比較的早い時間帯から激しい戦いに突入しています。永瀬王座は飛車を切って馬を作り、豊島九段も桂を打って反撃しました。豊島九段が1時間を超える長考で△8六歩(62手目)と突いたところで、中村太七段が千日手の筋について話しました。上の図から▲8六同歩△6八銀▲同金△同桂成▲同玉△8八飛▲7八銀△8七金▲7九銀△7八金▲同銀△8七銀▲6九角……と駒を打ち替える順です。2020年、当時七番勝負だった叡王戦で千日手を経験している2人だけに、控室がにわかにざわめきました。
実戦は▲6二銀△4三金寄▲5五桂と進んで上記の筋にはなりませんでしたが、8筋を手抜いて攻め合う強い選択は驚きです。青野九段と中村太七段は継ぎ盤に移動して検討を始めました。
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