――ここまでの戦いについて。
飯塚七段「50手目△8六歩から▲同歩△同飛と後手が動いていきましたが、先手も強く反発して、駒得の実利を得ました。やはり駒得は大きいので先手が指せると見ていましたが、78手目△3七角成で上部を開拓されてみると難しい。(2筋から飛車を追われたことで先手は)▲7一飛から▲2四桂という必殺の順がなくなり、後手玉は相当寄らなくなりました。後手は相変わらず駒損ですが、玉の安定度では後手が上です。難しい勝負だと思います。このふたりの対局はいつも大熱戦になります。本譜もすごい終盤戦が展開されるのではないでしょうか」
――持将棋の可能性について。
飯塚七段「現状は持将棋の可能性は高くないと思います。先手は8九飛、後手は6三金が最後の押さえとして残っていますから、どちらもそう簡単には入玉できません」
(ユーモアを交えながらニコ生解説陣と話す。話題に上がった龍言のお風呂はこちら)
(牛蒡)
図の局面。現地解説会で示されていた手順を少しだけご紹介します。
(1)▲4七銀は△7六歩▲8八銀△8六角▲5八玉△7七歩成▲同銀△同角成▲同金△8八飛成▲7八歩△7六歩=参考1図が解説されていました。攻め駒が少ないので後手がうまくいくとは限りませんが、先手としてはあまり選びたくない変化のようです。
(2)▲8七香が本命視されている手で、「香打ちから考えてみたい」と森内九段。以下△7六歩▲8五香△7七歩成▲同玉△7六歩▲8六玉△7七銀=参考2図に、(2a)▲同金△同歩成▲同玉△7六歩や(2b)▲7五玉△5六桂▲同歩△7三銀(△7八銀不成もある)は「激戦」と解説されています。
「(62手目△6四桂の時点で)第一感は先手がうまく反撃できそう(飛車と桂を持って▲7一飛△2二玉▲8四桂のようなイメージ)と考えていましたが、調べてみるとはっきりしません。形勢は難しいと思います。どちらも力を出せそうな展開です」(森内九段)
なお、実戦は(3)▲8六香でした。(2)と似たような変化になるもしれません。