激しい変化に
休憩後、羽生王座が△3五飛と歩を取った局面。ここで自宅解説の中座七段と伊藤能五段の会話。
中座七段「取りましたね。これは一気に終盤戦になる可能性があります」。
伊藤能五段 「▲2五飛とぶつける一手でしょうね。ほかの手では、先手つまらないですよね」。
中座七段 「そうですね。そう思います」。
伊藤能五段 「▲2五飛△同飛▲同桂(参考図)に△1五角まで行きそうです。そこで、いろいろあると思うんですが」。
中座七段 「そうですね。▲2三歩▲6五桂▲8五桂のどれかですかね」。
伊藤能五段「6五と8五の違いは、端的に言うとなんですか?8五より6五のほうが、普通は利いてますが」。
中座真七段「それは後から△6四歩と突く手があるためです。その手が一石二鳥になる可能性があります。▲2三歩をいつ叩くかも微妙で、後からだと△3三銀と上がられる変化もあります。個人的には△1五角の瞬間に▲2三歩と打たれるのが嫌です」。
伊藤能五段「2五に桂がいても△3三銀と上がる手があるのですか?」
中座真七段「はい。銀を取るのも大きいのですが、先手も桂を渡すと△3六桂という筋があり、踏み込むのは勇気が要ります。」。
伊藤能五段「ほー。最初からこの局面を思い描いていたのか、羽生王座は」。
中座真七段「そう思います。恐ろしい方です」。
伊藤能五段「自分の将棋だったら怖すぎますね。その研究の上を行かないと勝てないのだから、本当に大変です。当たり前だと言われそうだけど」。
中座真七段「そうですね。相当深く突っ込んで研究されているのではないかと思います」。
(吟)
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