第62期王将戦七番勝負第3局 Feed

2013年2月14日 (木)

20130213_57 端攻めを狙う渡辺竜王に対して佐藤王将は堂々▲8八玉と入城しました。▲6六銀と上がった直後だけに考えにくい発想です。屋敷九段が「ひええ」と驚いた、相手の攻めを恐れぬ顔面受けです。先手は次に▲8六歩で桂を取りに行こうとしています。

20130213_sanko1 屋敷九段は「佐藤王将は渡辺竜王の攻めは無理と見ていますね。しかし、竜王は攻めていくしかありません。この▲6六銀から▲8八玉はなかなかマネできない手順ですね。すごい手です。後手は攻めが細いので、どれだけつながるか」と局面を解説します。
図で△9七桂成は▲同玉△9六歩▲8八玉△9七歩成▲同香△9六歩▲同香△同香▲9七歩(参考図)が想定されます。先手の9七歩が切れると、▲9二歩で香を取ることができるので急いで攻めねばなりません。

20130213_53図は53手目▲7七銀まで。佐藤王将は陣形整備に手をかけました。先手は▲8八玉~▲5八金~▲6八金右と3手分の進展性があります。角が遊ばずにガッチリ組めれば十分です。一方の後手はこれ以上陣形を発展させられません。渡辺竜王は動いていく必要があるようです。
屋敷九段は△5四歩や△9三桂を示します。ただ、△5四歩は自陣にキズができる恐れもあります。渡辺竜王は△9三桂と活用。△8五桂からの端攻めを狙いました。
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(検討する屋敷九段)
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(モニターから。熟考する佐藤王将はかなり盤に近づいている)

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(JR大船渡線の不通区間である気仙沼-盛間は3月2日からBRT(バス・ラピッド・トランジット)で運転再開する。大船渡-盛間はこれまでの線路をバス専用道として活用する。盛駅から撮った写真からもレールが撤去されていることが分かる。左奥へ続く線路は三陸鉄道南リアス線)
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(市民文化会館近くの大船渡線の線路。電車には必要のないガードレールが設置され、交通標識も見られる。来月の運転再開に向けて工事が進められている)

現地では大盤解説会が始まりました。

■会場   大船渡市市民会館(リアスホール) マルチスペース
      〒022-0003
      岩手県大船渡市盛町字下館下18-1
■日時   2月14日(木)11時から終局まで
■入場料  2000円(飲み物付き)

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(市民文化会館から徒歩15分ほどのところにある盛駅。JRの駅舎は昨年末に、「海岸のまち」をコンセプトに碁石海岸をイメージしてリニューアルされた)
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(三陸鉄道の駅舎は現在「ふれあい待合室」として手芸品やグッズが販売されている)
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(三陸鉄道南リアス線の盛駅は今年4月から営業再開される予定)
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(声をかけたらポーズを取ってくれた)

対局者に出された2日目午前のおやつは昨日と同じで、佐藤王将がフルーツの盛り合わせとホットコーヒー、渡辺竜王はホットコーヒーのみ。
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(佐藤王将のおやつ。毎回、盛り付けが違う。同じ棋士が同じものを注文するので飽きさせない配慮だ。目で楽しめるのはうれしい)
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(控室にもフルーツが届けられた)