2025年2月 5日 (水)

角換わりから後手右玉へ

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9時に始まった本局は、永瀬九段の角換わりを藤井王将が受けて立ちました。図で藤井王将が趣向を見せます。数手前に△6二金と上がったばかりなのに、△5二金と寄ったのです。6一の金は1手で△5二金とできるため、藤井王将はわざと1手損の動きをしたことになります。

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上の図から△5二金▲5八金△6二玉で下の図に進んでいます。藤井王将は右玉を選びました。2024年度に入ってからの藤井王将は、後手角換わりでは右玉や△3三金型を採用する傾向にあります。
永瀬九段は1月の第83期順位戦A級8回戦の千田翔太八段戦で、下図で右金が4八の局面を経験して勝っています。藤井王将が▲永瀬-△千田戦の進行を避けたと考えられます。
そして、永瀬九段も▲6九玉とまっすぐ引いてから▲7九玉としてわざと1手損しました。前例や双方にとっての理想形をめぐる駆け引きが行われています。

Dsc_2101 (右玉を採用した藤井王将)