2025年1月13日 (月)

終局直後の様子

Dsc_2068(多くの報道陣が対局室に詰めかけた)

Dsc_2074(幸先良いスタートを切った藤井王将)

【藤井王将のコメント】
――振り駒で後手番になり、相掛かりを追随しました。
藤井 戦型はいろいろ考えられるかなと思っていました。序盤で▲1六歩(9手目)と△1四歩(10手目)の交換が入ったんですけれども、▲1五歩(27手目)と仕掛けられてしまったので、端攻めにどう対応するか難しい展開になってしまいました。

――永瀬九段の封じ手は▲7七桂(47手目)でした。1日目終了時点での手応えはいかがでしたか。
藤井 端をどういうふうに受ければいいかわからなくて。本譜はだいぶ自玉が薄い形になってしまったので自信がない展開かなと思っていました。

――2日目の昼食休憩のあたりはいかがでしたか。
藤井 ▲6五桂(51手目)から▲4五桂(53手目)とされて、△2三金(54手目)と寄ったところは攻め筋がいろいろありそうで、かなりイヤな感じになってしまったかなと思っていました。

――△6五桂(66手目)~△5五香(68手目)と反撃に転じたあたりから形勢の回復を感じられたのでしょうか。
藤井 ▲5三桂右成(57手目)のときに△同銀と取るべきだったかなということは思ったのですが、本譜も攻め合いの形になって楽しみが出てきたのかなと思っていました。

――△2三金(54手目)は1時間30分の長考になりました。長考の中身について教えてください。
藤井 ▲3四香(49手目)と打ってから▲6五桂~▲4五桂といきなり攻め掛かってこられる手に気づいていなくて。△2五角が第一感でしたが、そのあと攻め倒されてしまいそうで。△2三金も本譜の▲7一角(55手目)のほかに▲1二角や▲3三歩など攻め筋があって、どれか倒されてしまってもおかしくないかなと。持ち駒を増やしてどこかで反撃に出る機会がくればと思っていました。

――1三の金が最終的には中央に活用できました。そういったことも見据えての読み筋だったのでしょうか。
藤井 受け止めるということは難しくなってしまったような感じがしたので、駒の効率を上げて何とか勝負できる形を作れればと思っていました。

――勝ちを意識したのはどのあたりですか。
藤井 最後、△7六金(110手目)と打ったときに自玉に詰みがなければというふうには考えていました。

――一局を総括して。
藤井 かなり陣形差のある形の戦いを強いられてしまったので、序盤の細かなところに少し課題が残ったかなと感じています。

――第2局に向けて。
藤井 第2局以降は先後が決まっての戦いになるので、次に向けてしっかり準備をしていきたいと思います。

Dsc_2146(先手番で黒星発進となってしまった永瀬九段)

【永瀬九段のコメント】
――振り駒で先手となり、相掛かりを選択されました。手応えはいかがでしたか。
永瀬 ▲2六歩△8四歩にはこちらに戦型の選択権がありますので、相掛かりを選択しました。相掛かりは基本的に力戦になってしまうので、よくわからない点が多かったのですが、切らされる心配もあるので全体的には軽い将棋になって、攻めをつなげられるかどうかかなと思っていました。

――1日目、2日目のどこかで誤算があったところはあったのでしょうか。
永瀬 誤算は特にはわからないです。

――永瀬九段が攻めて、藤井王将が受ける展開になりましたが、指しやすさみたいなものは感じられたのでしょうか。
永瀬 指しやすさは特に感じなかったですが、選択権はこちらにあるような状態が長く続いたかもしれないなとは思っていました。基本的には軽い将棋ですので、切らされる心配をしながらずっと指していたので、指しやすさに結びつけられるところまでめどが立っていたわけは全くなかったです。

――一局を振り返って。
永瀬 中盤がとても難しい将棋で、封じ手の▲7七桂(47手目)と▲7七角の差がわからなかったです。△2四歩と突かれると何か決断をしないといけないので、うまく催促されているのかなと思いました。

――第2局に向けて。
永瀬 精一杯、準備をして頑張りたいと思います。