【藤井王将の談話】
――後手番で相穴熊になりました。戦型が決まるまでの展開はいかがでしたか。
「序盤は途中まで叡王戦の将棋とも近い形だったのですけど。今回は穴熊に組む前に△3二金(28手目)と△4三金(30手目)を先に組む形にして。それがどう違いが出て来るか難しいかなと思っていました」
――1日目は千日手模様の展開が続きました。封じ手までの展開はいかがでしたか。
「△2四角(40手目)と△8四飛(42手目)の組み合わせがあまりよくなかったかなと思っていました。△7四飛(44手目)に▲6七銀と引かれて、思っていたよりも手が難しい形になってしまったので。△8四飛に代えて△7四歩と突く形にしたほうがよかったかな、ということは思っていました」
――2日目、封じ手の▲4七飛と、その後の展開はいかがでしたか。
「▲4七飛に対して仕掛けていったのですけど。その後10手ぐらい進むと少し模様が悪い気がしたので。その辺りの手順がもう少し工夫が必要だったかなと思います」
――模様が悪かったというのは、どの辺りがどのようにでしょうか。
「▲5五歩(63手目)と突かれた辺りから少しこちらがうまく動いていくのが難しい形になってしまったかなと感じていました」
――お互いに4枚穴熊の形になったあと、△8七歩(80手目)から局面が動いていったと思います。その辺りの展開はいかがですか。
「▲7六飛(73手目)と回られた辺りはちょっと7筋の形がこちらにとって負担になってしまって、苦しくしてしまったかなと思っていました。△8七歩の少し、飛車の利きの陰になってしまうので、あまり成算はなかったのですけど。局面を収めにいくのもちょっと大変なのかなという気がしたので。動いていく変化を選びました」
――その後、勝負になったなと思ったのはどの辺りでしたか。
「攻め合いのときに、こちらの玉のほうがどうしても4筋に歩が立ってしまう分、ちょっと薄い形なので。自信がない局面が続いているかなと思っていたのですけど。△5九飛(108手目)と打ったあたりは、と金を払う筋を見せて頑張れそうな形になったかなとは思っていました」
――第1局、白星からスタートしました。第2局目以降に向けての抱負をお願いします。
「本局は序盤の構想に課題が残ったかなと思うので。その辺りを第2局に向けて修正していけたらと思います」
【菅井八段の談話】
――三間飛車から穴熊にされました。先手番になったら、こういった作戦でいこうという予定でしたか。
「そうです。はい」
――1日目は千日手模様に進みましたが、その辺りはどう考えていましたか。
「凄く難しい序盤戦かなと思っていました」
――打開を探っていた感じでしょうか。
「はい、そうです」
――封じ手は選択がいくつかあったと思いますが、▲4七飛はどういったことを考えて選ばれましたか。
「凄く手が広いので。▲5六銀など、他にも手があったと思うのですけど。凄く難しい局面でした」
――後手のほうから仕掛ける展開から互いに4枚穴熊を作る進行になりました。その辺りはいかがでしたか。
「▲4八銀(79手目)と引いたのがよくなかったように思います」
――具体的にはどういった理由ですか。
「本譜、△8七歩(80手目)の瞬間に(攻め合おう)と思ったのですけど、こちらが桂馬とか香車に弱い形なので。ちょっと厳しいかなと思いました」
――▲5四歩(93手目)から▲4四歩と、飛車を見捨てて穴熊に迫りました。あの辺りはいかがでしたか。
「実戦的に、というつもりでしたけど。最後ちょっと△6四角(104手目)という手がいい手で。その局面はまずい、というかピッタリでしたね」
――本局の反省材料としては、どの辺りでしょうか。
「中終盤の読みの精度ですかね。はい」
――第2局に向けて抱負を聞かせてください。
「はい。集中して頑張りたいと思います」