【羽生九段の談話】
――序盤は用意の作戦だったか。
羽生 途中まで前例をなぞって指していたんですけど、銀桂交換(56手目)になった辺りから、どうなるか分からないまま指していました。
――▲7八玉(49手目)が珍しいように見えた。
羽生 先手は打開しないといけないので、駒組みで工夫をしたという意味です。
――銀桂交換になったあとについては。
羽生 難しいと思ってずっと指していました。封じ手のあたりもどういう展開になるのか予測できない局面だったので、ハッキリしない状況が続いているのかなと思っていました。
――封じ手(66手目)については。
羽生 両方(本譜と△5二同銀)あると思っていました。
――▲3一角(73手目)の局面について。
羽生 ゆっくりしていると駒損が響くので攻めるしかないんですけど、形勢そのものはハッキリしないと思っていました。
――手応えを感じたのは。
羽生 ▲4二銀不成(93手目)が1回、詰めろになったので、あの辺りはちょっと流れがよくなったのかなと。
――最終盤、勝ちに近づいたと思われた局面は。
羽生 ▲6五歩(97手目)と桂を外して、本譜の手順でいけるんじゃないかと思っていました。
――一局を通して、勝因になったのは何か。
羽生 ちょっと調べてみないと、分からないです。
――2勝2敗のタイに戻せたことについて。
羽生 負けてしまうとカド番になってしまうので、タイに戻せてよかったなと思います。
――第5局に向けての抱負は。
羽生 調整していい将棋が指せるように頑張ります。
【藤井王将の談話】
――序盤については。
藤井 ▲7八玉(49手目)が少し珍しい形なので、その辺りで(前例の多い将棋と比べて)違いが出てくるのかなと思いながらやっていました。
――△6五歩(50手目)仕掛けたところは。
藤井 前例もある形で、タイミングとしても自然なところかなと。
――封じ手の△5二同玉(66手目)以降については。
藤井 封じ手は△5二同銀か△5二同玉か迷ったんですけど、▲3一角(73手目)と打たれる手が思っていたよりも厳しくて、ダメにしてしまったかなと思っていました。
――▲3一角は予期していなかったか。
藤井 そのあとに△4一桂や△4二桂と受けるのが自然ですが、それが思わしくないことにその前の時点で見えていませんでした。▲3一角以降はハッキリ苦しいかなと思っていました。
――敗因になったと思われたところは。
藤井 封じ手で長考したところで間違えてしまったと思うので、△5二同銀も考えていて成算が持てなかったというところはあったんですけど、読みの精度が足りなかったかなとは感じています。
――2勝2のタイに戻されたことについて。
藤井 本局については早い段階でバランスを崩してしまったのが少し残念ではあるので、次局以降、内容をよくしていけるように頑張りたいと思います。