2016年2月15日 (月)

前夜祭(3)

対局者のあいさつです。

A518 (郷田真隆王将)

「弘前に来るのは昨年に続いて2回目になります。昨年は3月の末だったので、だいぶ暖かくなって春の気配が感じられました。今回は、まだまだ寒いですね。今日は弘前大学付属の中学校にいって、将棋部のみなさんとお会いしてきました。県内では唯一の将棋部ということですが、長くやっていらっしゃるということで、生徒さんたちも非常に真剣に取り組んでいる印象を持ちまして、大変うれしく思いました。子どもたちには『縁を大事にしてほしい』と話しました。将棋とのご縁という意味だったのですが、今日こうしてみなさんとお会いしているのも、ひとつの縁だと思います。あとで、自分自身にもまったく当てはまるなと感じました。子どもたちには、これから将棋を通して、いろんな縁を大事にして、成長してほしいと思いますが、自分自身も学んできたことがたくさんありますので、私もそのことを大事にして、また頑張っていきたいと思います。明日から弘前対局が始まりますが、3年連続で、これからも弘前で対局させていただければという気持ちでおります。また、王将戦は伝統のある棋戦です。諸先輩が築いてこられた王将戦の名に恥じないような対局をしたいと思いますし、月並みですが、自分なりに力を振り絞って、ベストを尽くしたいと思っております」

A560 (羽生善治名人)

「私は何度もこちらに来させていただいているのですが、毎回、地元のみなさまの将棋に対する情熱と、また歓迎ぶりに、非常にありがたいなと思っています。2年前に王将戦で来たときは、時期はほぼ同じだったのですが、かなり雪が積もっていました。今日は、多少は残っていたのですけれども、やはり今年は暖冬なのかな、ということをしみじみと感じました。王将戦は年初めの1月から開幕して、全国各地を転戦していきます。弘前市も3年連続で開催していただいておりますので、これからも地元のみなさまの情熱のあと押しで続けていただけたら非常に嬉しいなと思います。それには明日からの対局で、できるだけ多くのみなさんに、将棋というのは面白いな、深いな、難しいな、というようなことを伝えていけたらいいなと思っています。将棋というのは、小さいお子さんから年配の方まで、盤と駒があれば楽しめる、ひとつのコミュニケーションのツールだと思っています。そういった伝統的なコミュニケーションの文化のひとつとして、今後も将棋というものを引き続き応援していただけたらうれしいと思っています」