2015年1月

2015年1月23日 (金)

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(突然の終局。報道陣が慌ただしく対局室に入った)

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渡辺明王将コメント

「▲4七銀(83手目)と引かれてからは苦しいと思っていました。もともとまずかったかもしれません。角を取られる順(105手目▲4五歩)は仕方がないと思っていました。△6七金(144手目)と指してチャンスがきたのかと思いましたが、▲6二飛(145手目)に△8四馬では負けで、△7四馬ではやはり自信はありませんでした。△4八銀(154手目)では受けがあったのかもしれません。終盤はいろいろあった気がします」

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郷田真隆九段コメント

「▲4七銀(83手目)でどうかなと思っていました。終盤は勝ちになったと思いましたが、はっきりした手順はわかりませんでした。△4八銀(154手目)が見えていなかった。(153手目▲3八銀に代えて)▲4一角しかなかったです。残念な将棋でした」

第64期王将戦七番勝負第2局は156手までで渡辺王将が勝ちました。終局時刻は19時21分。消費時間は▲郷田7時間59分、△渡辺7時間59分。これで対戦成績は渡辺王将の2連勝です。第3局は1月29・30日(木・金)に栃木県大田原市「ホテル花月」で行われます。

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図で渡辺王将は△7四飛と角を取りました。▲同歩に△2七金を、久保九段は検討していました。以下(1)▲2七同飛は△4九角が王手飛車取りです。

ただ(2)▲2三歩成があります。(A)△2三同玉は▲2七飛と王手で金を取られ、また(B)△2三同金上は▲6二飛があります。(C)△2三同金寄と取るしかありませんが、「そこで▲4四桂が詰めろになるのでしょうか。先手が勝ちそうだとは思いますが、具体的な手順はわかりません」。

本譜は△7四飛▲同歩に△2四歩と手を戻しました。

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上図は渡辺王将が猛攻をかけ、桂馬を打ち込んだところです。

ここでは▲6七同銀が有力視されていましたが、郷田九段は▲6七同金右と取りました。

久保九段は下記のように解説しました。

「▲6七同銀は△同歩成▲同金右に△8八歩▲同銀△6六銀という手があります。以下▲4四歩と角を取ると△6七銀成▲同金△8七銀▲同銀△同飛成(参考1図)で受けづらいです」

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「本譜の▲6七同金右だと、同様に進んだときに8七に打ち込む駒が金しかなく、(△6七同歩成▲同金△8八歩▲同銀△6六銀▲4四歩△6七銀成▲同金△8七金)▲8七同銀△同飛成に▲7八金(参考2図)と受けることができます」

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最初に銀で取ってしまうと「金なし将棋に受け手なし」。相手に銀を渡さずに金を渡すことで、あとから8七に打つ駒が金しかないという、複雑な手順です。

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(ひとり検討する久保利明九段)

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(「角は死んでいますが、▲4四歩と角を取った手が何も当たってないので甘いんですよね」。角を取った瞬間に一気に攻め込まれるようだ。上の局面は108手目△6六歩に▲7六銀右△8七桂▲6八玉△9九桂成▲4四歩△6七香と進んだ局面)

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▲4五歩で後手の角の行き場がなくなりました。もちろん渡辺王将は承知の上で踏み込んでいるわけで、ここに至る手順は渡辺王将の勝負手なのではないかと言われています。

渡辺王将は△6七歩成と踏み込みました。

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(鷺が描かれた照明)

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(ラウンジの棚)

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(島根県や安来市に関する本、足立美術館に関する本が多く置かれている)

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(中庭。今日は雨が降っていない)

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(安来市の観光ポスター)

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(安来節演芸館で開催する子供安来節大会のポスター。まだ間に合います)

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(卓球台)

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郷田九段は1時間3分の長考で▲7四角と打ちました。これは立会人の久保九段も候補にしていた手で、受けては△6五桂を防ぎ、攻めては▲4一角成を見た攻防手です。

郷田九段はこの長考で残り1時間を切りました。