2015年1月23日 (金)

金と銀の違い

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上図は渡辺王将が猛攻をかけ、桂馬を打ち込んだところです。

ここでは▲6七同銀が有力視されていましたが、郷田九段は▲6七同金右と取りました。

久保九段は下記のように解説しました。

「▲6七同銀は△同歩成▲同金右に△8八歩▲同銀△6六銀という手があります。以下▲4四歩と角を取ると△6七銀成▲同金△8七銀▲同銀△同飛成(参考1図)で受けづらいです」

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「本譜の▲6七同金右だと、同様に進んだときに8七に打ち込む駒が金しかなく、(△6七同歩成▲同金△8八歩▲同銀△6六銀▲4四歩△6七銀成▲同金△8七金)▲8七同銀△同飛成に▲7八金(参考2図)と受けることができます」

Sankou2

最初に銀で取ってしまうと「金なし将棋に受け手なし」。相手に銀を渡さずに金を渡すことで、あとから8七に打つ駒が金しかないという、複雑な手順です。